初めてのバーで頑張りすぎちゃった大学生と、たまたまそれを見ていた美形のお兄さんの、ちょっとした出会いのお話。
おかしいな……? 美形のお兄さん(理志雄さん)の魅力に釣られて読んでいたはずが、気づけば主人公(『僕』)にふんわりした好意を抱いていたのですけど?
それも、視点は『僕』の方にあるままなのに、というところがまたすごい。
どんでん返し、ではないんですけど、思わぬ形でひっくり返されるこの感覚がたまりません。
真っ直ぐすぎていろいろ残念な大学生。読んでてつい笑わされちゃう場面もしばしば。
もう本当にしょうがないやつなんですけど、でもなんだかんだで憎めない感じ。
そりゃこんなのに慕われたら悪い気しないよね、的な、なんか気がついたら理志雄さんの方に共感させられている、この読み心地がとても好きです。
なんだかウキウキしちゃう感じの楽しさのある作品でした。