椅子取りゲームから弾き出され、現実の全てに絶望するような人生でも、やはり別の椅子取りゲームに挑戦したくなるのが人の性(さが)で、
トラックに撥ねられそうな子供達を見たときつい体が動いてしまったように、その欲求は自分の意思とは無関係に湧き上がる抑えようのない力なんですね。
チートスキルが発動した際の、
>世界がズレたと錯覚する光景の後、世界は音を取り戻し、周りには衝撃波が荒れ狂う。
この簡潔でありながら空間そのものを揺るがす重低音が響くかのような描写が圧巻でした。
書き慣れておられる方でなければこうは描けません。
こんにちは。自主企画から参りました、縹と申す者です。ご作品、最後まで読ませていただきました。
どこか鬱屈とした現実へ戻ることを良しとせず、生まれ変わった夢想の世界を是とし、そのまま(おそらく二度と)目覚めることのない主人公、というオチが秀逸でした。「夢の世界でなら、自他共にいくらでも都合のいい存在になれる」という、どこか皮肉めいた雰囲気すら感じ取れて素敵です。
☆評価、フォロー、させて頂きました。これからのご活躍、心より応援しております。素敵な作品、ありがとうございました!