第7話ワタコさんとの別れ

ぼくとワタコさんが歩き回って、どれくらい時間が経ったかのかわからない、ぼくとワタコさんはお腹を空かせて、なけなしのお小遣いで買ったチョコ菓子を分けあって食べていると、二人の大人がぼくたちに近づいてきた。

「ワタコさん、そこにいたのか。さあ、一緒にもどろう。」

「いや、来ないで・・・!」

ワタコさんはおびえている、この二人は悪い大人だ!

「ワタコさんに何するんだ!」

ぼくは二人の大人の前に立ちはだかった、こわかったけど、ワタコさんのことを守ることしか頭になかった。

「あの・・・、きみはだれ?」

「ぼくは、ワタコさんの友だちだ!」

やさしく話かけてくる大人、だけどぼくは決してワタコさんに近づけない。

そんなぼくの迫力におどろいたのか、一瞬ひるんだかに見えた二人だったが、すぐに一人の大人がぼくを強引にどかした。

「やめろ、ワタコさんにさわるな!」

「すまない、ワタコさんには行くべきところがあるんだ。」

そしてワタコさんはもう一人の大人にうでをつかまれた。

するとワタコさんは、力一杯男のうでをふりはらって、ぼくのところへ走ってくると、そのままぼくを抱きしめた。

「ごめんなさい・・・、これでお別れなの。今まで一緒にいてくれて、本当に遊んでくれてありがとう。」

えっ、これでお別れ・・・。

ぼくが待ってという前に、ワタコさんは大人の元へもどっていった。

「ワタコさんと遊んでくれてありがとな」

そしてワタコさんは、二人の大人に連れていかれてしまった。

ぼくは記憶にないほど大声で、「ワタコさーん!」と泣き叫んだ。

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