第2話ワタコ

タンポポの綿毛を飛ばす、かわいいワタコさんに出会ってから、ぼくはあの公園に毎日通っていた。

下校中、あの公園に立ち寄るとワタコさんがいた。今日はブランコに乗っていた。

「ワタコさん、こんにちわ!」

「あら、こんにちわ。」

ぼくはウキウキな気持ちで、ワタコさんのとなりのブランコに乗った。

「あの・・・、ワタコさんはどこの学校に通っているの・・・?」

ワタコさんは言いにくそうな顔をしていた、いきなり学校の質問は失礼だったか・・・

「実はね、学校に通っていないの。『なばな園』が私のお家なんだ、そこで勉強したりみんなと遊んだりしているの。」

「へぇー、そうなんだ。パパとママはいないの?」

またワタコさんの顔が言いにくそうになった、これも失礼な質問だったの?

「パパとママは・・・、どこにいるのかわからないの。家でるすばんしていたけど、突然どこかへ行ってしまったの。」

ワタコさんは悲しげに言った、一体こんなかわいいワタコさんをほったらかしにして、パパとママはどこへ行ってしまったんだ?

「一人でさみしくないのか?」

「うん!みんながいるし、それに私タンポポの花が好きだから、春はよく公園に来ているんだ。」

「どうしてタンポポの花が好きなの?」

「黄色くてかわいいし、それと白い綿毛が風に乗って飛んでいくのが好き。だって、私のお気に入りの場所へ行けそうな気がするの。」

ほほえむワタコさん、風にぼくの心を乗せて送りたいと思った。



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