第3話綿毛を探せ

翌日、ぼくは今日もワタコさんのいる公園へやってきた。

ワタコさんは今日も公園にいたが、タンポポの綿毛を飛ばしていない・・・。

「ワタコさん、タンポポの綿毛をさがしているの?」

「うん、だけど全然みつからないのよ。もう、ここにあるのはみんな飛ばしちゃったのかな?」

ワタコさんは困ったように言った、そしてぼくはワタコさんに言った。

「じゃあ、探しに行こうよ!」

「えっ、いっしょに探してくれるの?」

「もちろんだよ、さあ行こう!」

こうしてぼくとワタコさんは、公園を出てタンポポの綿毛を探しにむかった。

しかし道路や他の公園を探してみたものの、タンポポの綿毛を見つけることはできず、そうこうしているうちに、もう空が暗くなろうとしていた。

「もういいよ、あんまり遅いとみんなに迷惑をかけちゃう・・・」

「いや、どこかに綿毛はあるはずなんだ!」

ぼくはワタコさんのために、なんとしてでも綿毛を見つけなければならない。

そして電柱の根元をのぞいた時だった、半分しかのこってないけど、タンポポの綿毛を発見した。

「あ!あったよ、ワタコさん!」

「本当だ、ありがとう。」

「それじゃあ、飛ばして」

「あの・・・、一緒に飛ばさない?」

ぼくの心が、突然ドキッとした!

「ええっ!いいの・・・」

「二人で飛ばそうよ。」

そしてぼくは顔を赤くしながら、ワタコさんと一緒に綿毛を飛ばした。

この時、今までの中で一番うれしい気持ちになった。

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