第17話
店内に置かれていた脚立を持ち出し、天井裏を開け、枝切用のチェーンソーで屋根を開ける。
一応、誰もいないことを確認し、エマを呼ぶ。
ビッグリグドラゴンの周囲は化け物車とメカニカル街路樹が並んでいる。
そして、ビッグリグドラゴンと目が合ったような気がした。
すると、やつら全部に命が宿ったように動き始めた。
この場所、一応建物外判定らしい。
エマがM4を構える。
「行くよ」
「ああ」
腕がいい。
最初の一発から、確実にビッグリグドラゴンのガソリンタンクに穴をあけていく。
「素晴らしい」
「ありがと」
そして、次はアスファルトに向かって撃つ。
火花が上がる。
そして。
流れるガソリンに引火し、ビッグリグドラゴンは、そのまま炎に包まれた。
「うわー、あっけな」
「たしかにねぇ。難易度設定、バグってない?」
「ま、楽な方がありがたい」
そう言って俺は、投擲用のベルトを巻き付けた爆弾をぐるぐると回す。
遠心力のたっぷり乗った、それを炎に向かって投げた。
そして、慌てて店舗内へと降りて隠れる。
盛大な爆発が、店の窓を埋めつくした。
そのくせ、ガラスには、ひび一枚入らない。
「おー、どう見ても、セーフティエリアってことだね」
「そうね」
爆発の後は、数体の化け物車とメカニカル街路樹。
無傷という感じではない。
化け物車は、血液がわりのオイルにまみれ、メカニカル街路樹は、枝葉が吹き飛んでいる。
「あいつらも始末しておこう」
俺らは店を出て、それらに向かって発砲した。
数刻の後、路上で動いているのは、俺たちだけとなった。
「いやあ、すごいね」
いきなり脇から声がした。
俺たちはその声に向かって、銃口を向ける。
その声の持ち主は、ゴスロリのドレスを着た、金髪の少女だった。
「あんた、誰だ?」
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