お礼、そして後書き

長い長い物語にお付き合いいただき

本当にありがとうございました。


10ヶ月にわたって連載して参りましたが

こんなにも重い物語で、まさかの60万字越え。

当初計画していた作品の

1.5倍ものボリュームになろうとは。

読む側も、相当にお疲れだったと思います。

しかも、本当に熱のある応援メッセージを

たくさん頂戴して、励まされました。


あらためて

読者の皆さまに感謝申し上げます。


さて、この物語を書き始めたのは

今年の春、3月でした。


最初にコンセプトを決めました。


1 「偏った天才少女」に尽くす、少年の純愛物語にしよう。

2 寝取られたから復讐! 的な安易な話はやめよう。

3 天才を育てられるのは天才。でも、主人公は平凡な人。

4 高校3年生が自分の道を探す物語にしよう。

5 春に始まって春に終わる物語にする。


手元に残るメモを掘り起こすと

そんな感じのことが書いてあります。


そして、ヒロインが天才によって育てられる過程で

肉体関係になることは、ある程度織り込んでいました。

途中で、読者の方々の拒否反応の強さに驚き

「これは、慣れてもらわないとだめかも」

と考えるに至りました。


もう、お気付きですね?


この作品に出てくる、ほぼ全ての女性は

意に沿わない男性経験を持ちました。

結果的に、紗奈以外は全員でしたね。

あ、坂下先生は「未遂」か 笑笑


特に、終盤の「佳奈」に対しての

「寝取られ」が頂点でしたし

一番大事な通過点としても設定しました。


お気付きだと思いますが

茉莉のときは「立場的などうしようもなさ」

が存在する相手なので

雷漢は叩きつぶす必要があります。

だから、戦うための牙を

彼は始めから持っています。


でも、佳奈の場合は言わば「自爆」です。

だから宗一郎君は

あっさりと「無視」のカタチなんです


「悪夢だったな、忘れろ」


それだけでした。

でも、たぶん

応援メッセージ欄で

「宗一郎の対応が甘い」的なものは

確か、なかったはず。


いや~

ここまで来るのに半年かかりましたよね!

ふふふ。

悪い作者に染められたせいです。


そして、宗一郎君は、復讐も何も無しで

ただ、佳奈を「許す」という姿を

親友に見せることができました。


だから、というか

祐太君も親友の行動が下敷きになっているんですね。

巨匠がどうこうという問題ではなくて

ひたすら、静香と自分の気持ちという点だけを

考えるようになっていました。

だからこそ、静香が「許して」と

お願いできるくらいの

大きな男になれました。

私は、これを「成長」だと考えています。


でも、祐太が成長する過程において

「純粋な味方」がひたすらいません。

どこにもいません。

母役の美紀さんすら当てにならず。

時には、自分自身すら、

祐太を否定する状態では

あまりにも辛いです。

支えが必要ですよね。


それがシュガーです。


シュガー自身は、

けっこうあざとい女の子なんですよ。

したたかに生きています。

生活のためなら

男を手玉にとることも辞しませんし

実に用心深く人間関係を観察して

自分の利益が第一になるようにしています。

自分を陥れた人間に対して

見事なまでに切り捨てて

全く関心を払わない点は

本当にクールです。

その反動のようなものなのか

自分を救ってくれた祐太先輩には

純粋に愛を捧げます。

というか「崇拝」のレベルで身を捧げ

それを喜びとできるんですよね。

正直に言えば

シュガーがこんなに「人気」になるとは

思ってもみなかったことです。


サポーター様限定の近況ノートで

公開した「実は」の話のように

もっと、割り切って使おうと思った

キャラだったんですが

みなさまの人気で運命が変わったと思います。


運命が変わったと言えば

茉莉ちゃんも、そうでした。

もうちょっと軽めのキャラで登場の予定が

物語中、一、二を争うほど悲惨な境遇だったのではないかと。

これも当初の構想の中にはなかったことでした。

ただ、春の章で

「とっても清楚で純粋な女の子」

と言うキャラで出しておいて良かったと

作者的には、後から思ったのですが

いかがでしょうか?


それから応援メッセージで

熱心なお言葉を多数いただきました。

多くの応援と、時にお叱りがあり

どれも、本当にありがたかったです。


みなさまのお声を受け入れながら

物語を少しずつ調整できるのも

こうした「ネット小説」の良さだと思いました。


執筆体験としてみると

苦しいことは山ほどありました。

終盤になってからは寝ても覚めても

小説のことばかり考えていて

気が付いたら3日も家から出ていなかった

なんてこともありました。

それでも、最後の2話分の骨格は

今年の3月に書き始めた時点でできていたんです。

(ボツにした「幻のプロローグ」と

 合わせてお読みください)

その意味で

書いていて、とても楽しかったです。


応援してくださったみなさんに大感謝です。


それと、最後にお願いです

私の読者様の知的レベルが異様に高い

ということは承知しております。


もしも、できましたら

文字による「レビュー」投稿を

ご協力いただけないでしょうか?


物語の決着も付いたことで

もうちょっと広い読者に

「ちょっと本格的な小説」として

読んでもらえたらな、と思っています。

読者様の高い知的レベルなら

きっと、そんなレビューを書いていただけるのではと

期待しております。

もしも、お時間がありましたら、ぜひお願いします。


それでは、また次の作品で

お目にかかれますことを。


             新川さとし 拝




追伸

明日の朝9時に、ちょっとした後日談が載ります。


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