2022/08/22  シンデレラ外伝





シンデレラは息をついた。


長く続いた戦いは全て終わった。


武闘会。


彼女の足元には戦った相手の体がいくつも横たわっていた。

姫はそれを見降ろして上を見た。


「王子様、私はあなたの元に嫁ぐ事は出来ません。」


壇上の真っ青な顔をしている王子に彼女は言った。


「父の、私の父の本意に気が付いた今、

私はここから去ります。

まさか私の父がそんなことを考えていたとは。」


王子の後ろに影が映る。

それはゆっくりと前に出て来た。


「姫よ、王子と結ばれるのだ。

それが運命なのだよ。」


それは死んだと思っていたシンデレラの父親だった。

旅先の事故で死んだはずだった。


その寸前、父は再婚をしていた。

やって来たのは継母と義理の姉二人。


父がいるうちは仲良く生活をしていたつもりだった。

だが、父が死んだ知らせを聞いた途端彼女らは変貌した。


部屋の掃除のためにバケツに水を汲み何度も往復させる。

掃除はいつくばってする事を強要された。


数人いたお手伝いもすべて解雇し、

家事の全てをシンデレラが世話をするよう命じられた。


毎日体中が傷み何度涙をこぼしたか。

眠る時も火を落とした暖炉で休むよう言われたのだ。


だが、


「灰の中で眠るのは体を冷やさないためだよ。」

「そうよ、ともかく体を鍛えなきゃね。

いつの間にか体も痛くなくなったでしょ。」


シンデレラの後ろに二人の義理姉あねが現れた。


「お義姉ねえさま……。」


そして、


「私達が現れたから事故死に見せかけて身を隠すなんてね。

いつから私達の事に気が付いたの?あなた。」


義母ははだ。


「この子と王子を結婚させれば闇の子が生まれる、なんて、

あなたの野望は達成させないわ。

私達光の魔女ギルドがね。」


壇上の父親の顔が歪む。

そしてその横に魔法使いのお婆さんが現れた。


「あたしが武闘会に出られるようにお膳立てしてあげたんだから。

結婚しなさいよ。」


口をゆがめて魔法使いが笑う。


「黒の魔女さん、それには感謝するわ。

でも私が武闘会に出たのは今までの事をちゃんと告げる為よ。

それを言う機会を作ってくれて感謝してるわ。」


魔法使いの笑みが凍る。


「お義母かあさま、お義姉ねえさま、本当に今まで辛くて痛かったわ。

でもありがとう。」

「礼を言うのは早くてよ、シンデレラ。」

「そうよ、私達の憎らしい義妹いもうとちゃん。

またあなたが作ったスープが飲みたいわ。」

「お義姉ねえさま方より私の方が料理は上手ですからね。」


彼女達は目を合わせて微笑む。


「さあ、あなた達、おしゃべりしている暇なんて無いわよ。」


義母が手を叩く。


「闇に囚われた王子様を助けるのよ。

シンデレラ、あなたの父と戦うけど覚悟はあるわね。」

「はい、構いません。あれは父ではありません。」


シンデレラは全身に力を込めた。


あれは父の形をした悪だ。

それを私は倒す。

義母はは義理姉あねと。


午前零時までに倒さなければ悪の力が増す。


四人の力が一つになる。

一つの敵に向かって。















と言う事を話を作る人は考えています。


面白いのでまた何か書くかも。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る