2022/08/08  ポチ散歩  セルフうどん





みなさん、こんにちは、今日は地球に来ました。

はい、日本と言う国ですね。


一度来てみたかったのでうれしいですねえ。

でもここでは私は頭とか打ちそうになるんですよ。

この国だと私の身長は大きいらしいです。


それと私は見た目この星のヒューマンと違うので、

顔だけホログラムで覆っています。

見た目は背の高い海外から来た人となっています。はい。


それでですね、今回ここにお伺いした理由の一つに

食べ歩きがありまして、

今回はうどんを食べます。

セルフうどんです。


映像でしか見た事が無かったのでぜひ食べたかったのですよ。

今日はこのセルフうどん店にお伺いします。


---からんからん---


自動ドアではないんですね、取っ手を持って開けるタイプです。

珍しいですね、手動なんて何年ぶりでしょうか。

新鮮です。


で、手を消毒ですね、

今地球では病気が流行っているそうで飲食店は大変なんだそうです。


えーと、お盆を持って注文ですね。

一応映像で予習をして来ましたよ。

ずーっとレーンのようなものがあって、そこにお盆を乗せて

注文したうどんを受け取り、

好みで天ぷらと言うものなどを取るようです。


うーんと、ぶっかけと思ったのですが釜揚げもおいしそうですね、

あー、はい、やっぱりぶっかけかな、スミマセン、

ぶっかけの冷たいの並みで一つお願いします。はい。


店員さんが素速い動きで白くて長い糸状の物、

うどんですね、水にさらしています。

温かいのはお湯で温めるみたいですね、

丼に入れたら茶色のだし汁をかけています。

はい、ネギは乗せて下さい。はい。


ネギは緑色の植物です。

細かく輪切りにしてありますね、

ここでは薬味と言うようで風味付けです。


おお、早い、もう丼にうどんが。

ネギが乗ってます。

ネギは生き物の種類によっては食べてはいけないようですが、

調べたところ私は大丈夫でした。


そしてレーンにお盆を乗せたまま

天ぷらやおにぎりやお稲荷さんと言うものがあります。

天ぷらは具材を粉でまぶして油で揚げたものですね。


天ぷらはたんぱく質性のものと植物性のものがありますね。

他にもいろいろあります。


おにぎりは米と言うものを炊いて手で固めたものです。

中に何か入っています。

お稲荷さんも袋状のものに味をつけて中に米が入ってます。

どちらもこの国の伝統的な携帯食です。


そうですね、私はこのとり天とレンコンにしましょうか。

おにぎりは梅です。

赤くてきれいなものが中に入っています。


それで会計です、

地球はまだ全宇宙で使える金銭システムはありません。

しかも国ごとに通貨が違うので両替しましょう。

この国は円と言う通貨です。

各地の宇宙港で両替可能ですよ。


店員さん、私のお盆を見て計算してますね。

もの見て判断してます。凄いですね。

お金も手渡しです。素晴らしい。


さあ、テーブルに行きましょうか、

え、ここで薬味が自分で取れるんですか?

教えて頂いてありがとうございます。


親切な方がですね、テーブルに向かう前に

薬味が足せると教えてくれました。

えーと、生姜と言うピリッとしたものと

天かすですね、天ぷらを揚げる時に出てしまう

揚げた粉の小さな塊です。

無駄にしないのはとても好感が持てます。


両方入れましょう。

好きなだけ入れられるのは大変うれしいですね。


はい、好きな所に座っていいんですね、

ありがとうございます。

日本人は親切な方が多いですね。

助かります。


さていただきましょうか。


割りばしと言うものを使います。

木で出来たもので二つに割って使います。

元々割れ目があるのでそれに沿って割るのですが、

箸自体がなかなか使うのが難しいようです。


でもね、私はこの日のために練習したんですよ。

偉いでしょ、だから使えます。

割りばしを割って、


あっ、



……変な風に割れてしまいました。

もったいないので使います。


手を合わせて頂きます。


うどんを掻きまわしてだしの味をつけて、


ずるずる、ずるずる、

もぐもぐ、


うどんは啜るんですよ。

それがこの国のマナーです。


うーん、美味しいですね。

日本では醤油文化が発達しています。

大豆と言う植物を加工したものです。

いやあ、旨味と塩味と醤油の風味が素晴らしい。


レンコンを食べましょうか。

これは穴が開いているんです。

面白い構造ですね、これもだしに浸して、

おお、糸が、糸を引きますよ、

もちもちしているにさっくりしています。


そしてうどん、このむっちりとした歯ごたえがたまらない。

吸い込み、そして噛んで歯ごたえを感じて飲み込む。

この連続がくせになります。


そしてとり天です。

鶏と言う鳥類の肉です。

これもだしに付けて、若干肉に塩味が付けてあるのでしょうか。

それとだしの味が絡まって絶妙です。

そして肉をかむと旨味が溢れる。


もぐもぐ、ずるずるずる、もぐもぐ、

ずるずる、


おにぎりも食べましょう。

赤い梅が綺麗ですね、うっ、おお、酸っぱいです。

凄く酸っぱい、

でもご飯と一緒に食べるとちょうど良い加減です。

素晴らしい。


もぐもぐ、ずるずる、

もぐもぐ、ずるずるずる……。



あー、食べてしまいました。

なんだか少々物足りない気もしますが、

このスピーディさがセルフうどんの醍醐味でもあるようです。


皆さんわりと早めに食事を切り上げていますね。

薄利多売で利益を上げているのでしょう。

私も商売人の端くれですから見習わなければいけません。


手を合わせてごちそうさまでした。


がこの国のマナーだそうです。


そしてこの食べた後の食器は『返却口』と

書かれたところに持って行きます。

食事前の注文と食後の片づけをお客がすることで

人件費を削り値段を抑えるのがセルフうどんなんだそうです。


合理的です。

素晴らしい。


と言う事で食器を片付けて、

美味しかったです。

ありがとう。







日本、

ある場所のセルフうどんにて、

大声で説明しながらうどんを食べる大柄の外国人が目撃される。

ただ、声が大きいだけで他に問題は無く、

むしろうどんを褒めたたえる内容であったため、

店側は問題なしと判断。

周りの人も微笑ましく見ていただけであった。

彼は食事を済ますと手を合わせてごちそうさまと言い、

美味しかったと帰って行った。

ただ、割りばしだけは上手に割れなかったらしい。


その店ではしばらくのっぽさんと名付けられた

彼の噂で持ち切りだったが、

時間が経った今では忘れられようとしている。

ただ、店長だけはまた来ないかなあと思っている。






◇昨日セルフうどんを食べた ◇はぶちゃん◇



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