第10話障がい者雇用

僕はあの忌まわしい団体職員時代のストレスから精神障がい者になってしまった訳だが、それでも働きたいと言う気持ちはずっと持ち続けていた。

障がい者雇用で、ある高齢者デイサービスの仕事に就いた時の話しである。

僕はその時まだ、腰の手術前だったので右足を引き摺りながら、皿洗い、ベッドメイキングの仕事をしていた。

そして、5時になると、遅番、夜勤者に、

「お先に失礼します」と挨拶して帰っていた。

しばらくして、そこの管理者に呼び出しを喰らった。

「お前は、障がい者だがこっがわざわざ雇っているんだ。帰る前はお先に失礼します。じゃなくて、『今日も、働かせてもらい、ありがとうございました』と、全員に言え」

と、言われた。


コイツばかなのか?障がい者はわざわざ、雇用されるのか?


僕はしばらくは、「ありがとうございました」と言って帰宅していたが、失意のあまり二週間後に辞めた。

それから、3ヶ月後に腰椎の手術を受けた。

身体だけでも、治そうと試みたのだが手術をしても、未だに腰痛が酷い。


「ありがとうございました」って、研修じゃないのに!

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