第13話 新たな時代の幕開け&再びの悲報
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翌日。
アレックス王子が死亡したと公表された。
その死因は夜間演習中の不幸な事故だとされた。
部下達は事故の責任を取って逮捕されたという事になっていた。
だが実際は謀反を企てた為に殺されたのであり、
それはカリンルカ国民も薄々気づいていた。
なので事故だという公式発表を信じる者は殆ど居なかった。
その知らせは妻であるローズマリー王女にも伝わった。
アレックス王子を心の底から愛していた彼女は、夫の死をとても悲しんだ。
彼女は涙を流し、ただひたすらに泣き叫んだ。
その後、彼女はこう呟いた。
「彼の居ない世界なんて、生きている意味がない」
そして彼女は毒を飲み、自らの命を断った。
それから数日後。
カリンルカ王国の王都で
アレックス王子とローズマリー王女の合同葬儀が盛大に行われた。
ローズマリー王女の死因は毒を飲んでの自殺だと正直に公表された。
しかしカリンルカ国民はステラ王太后による毒殺ではないかと疑った。
それだけ国民は二人の不審な死を怪しんだのである。
その葬儀でステラ王太后はこう言った。
「亡くなった二人の為にもレオン新国王を皆で支えて行かなければなりません」
その言葉はとても白々しかった。
だがもはや王太后に逆らえる者は居なかった。
邪魔な二人は王太后が手を下すまでもなく自滅してくれたからだ。
こうしてまだ赤子であるレオン新国王と、
その母であるステラ王太后による統治が本格的に始まったのだ。
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父であるカリンルカ国王の急死を知ったあの日から約二十日。
私は父の死を乗り越え、娘のシャルロットを育てる為に頑張っていた。
夫のウラジーミルは
「最近のナタリーは無理をしているんじゃないか?疲れているのなら休んでもいいんだよ」
と言ってくれた。
それでも私は自らの手で我が子を育てるのを休む事は無かった。
確かに育児は疲れるが、娘の成長を間近で見られるのはとても嬉しい事だった。
だがそんな私にまたも突然の悲報が飛び込んできた。
それは私の妹であるカリンルカ王国の第二王女ローズマリーと、
その夫であるアレックス王子が亡くなったという知らせだった。
知らせによるとアレックス王子が事故で亡くなり、
それを悲しんだ妹が毒を飲んで後を追ったとの事だ。
それを聞いた私は
悲しみの底に突き落とされ涙を流した。
妹は私を陰謀で祖国から追い出したが、
そのおかげでウラジーミルと出会えた。
それに幼い頃はとても仲が良かった。
その妹が死んだのだ。
しかもアレックス王子の死を悲しんで自ら命を断ったという。
妹は善人とは言い難いが、そんな最期はあんまりだと思った。
私はひたすらに泣き続けた。
夫が慰めてくれたがそれでも落ち込んでいた。
その為育児をしばらく休み、授乳以外は使用人に任せる事にした。
本当は娘の側にずっと居たかった。
でも今の精神状態だとそれは難しいだろう。
今の私には心の傷を癒やす時間が必要だった。
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