第9話 技能



「じゃあ次は技能について説明するよ」



 そう言ってエリオン先生が説明を始めた。



 技能とはTRPGによく使われる物とよく似ていて能力が技能として可視化されたものである。



 技能には大きく分けて二つある。一つ目が戦闘系技能と呼ばれるもので、これは剣技や体術などが当てはまる。



 もう一つが補助系の技能である。他にも様々なものがあるのだが、とりあえずはこの二つの技能を確認すれば十分だろうということで、これから教えてもらうことになっている。



 技能を確認するためにエリオン先生が鑑定板と呼ばれる魔道具(正確にはアーティファクトらしい)を使用して確認することになった。



 俺は恐る恐る鑑定板に触れてみた。



 すると、目の前に画面のようなものが表示された。そこにはこう書かれていた。



【名前】和己【技能】剣術Level.7、体術Level.7、棒術level.4、槍術level.3、弓術level.2、斧術level.1、盾術level.1、投擲level.1、隠密level.1、気配察知level.1、基礎魔法Level.3



 うん。



 日本に居たときは授業で竹刀を持った程度なのだが、やはりチートを貰ったようだ。



 それにしても数が多いな……まぁ多い分には困らないし問題ないだろう。



 ふと気になってエリオンの技能を聞いてみた。



「俺の技能?いいよ。折角だから鑑定板を使ってみようか。あ、でもLevel5以上だけ表示させよっか」



 と言って鑑定板に手を翳す。



【名前】エリオン【技能】剣術Level.7、水属性魔法 Level.9、土属性魔法 Level.8、火属性魔法 Level.6、風属性魔法 Level.8、光属性魔法 Level.9、闇属性魔法 Level.8、状態異常耐性(毒)Level.6、精神汚染耐性(魅了)Level.5



 おい!ちょっと待て!何だこの化け物は!?


 俺のステータスが霞んで見えるぞ……



 しかし、さすがは一級魔導師といったところだろうか、俺が習得している技能の数倍以上の数の技能を持っていた。



 Levelは1から9まであるのだがLevel.6で達人級だという。



 その後は外に出て軽く素振りをして技能と身体の調整を行った。



 こうして俺の魔導院生活は過ぎていくのであった。


 魔導院での日々はあっという間に過ぎていった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



鑑定板:

古代のアーティファクト。

基本的に異世界でも自分の能力を確かめる方法は存在しない。

自分の技能を可視化する技術はすでに失伝している。

主人公は気づいていないがこのアーティファクトを使っているのは限られた人物(一級魔導士、王族等)だけである。


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