008_宗ちゃんのトラウマは知ってても今まで聞けなかったこと…

宗ちゃんです。サクラ堂です。


今日は宗ちゃんが小さい頃の受けた虐待とか色々な暴力がトラウマになった件…


おい…ついにきたか…


だってさぁ宗ちゃんを語る上で幼い時のトラウマ?虐待?あれ性格形成の上で影響大でしょ?


まーそーなんたけどさ…


虐待されてたことは早くから分かってたけど詳細は教えてくれなかったよね。


教えるというより本人も忘れてた黒歴史。シャレにならない黒歴史!


殴る蹴るされた?


そんなの日常茶飯事。

言葉の暴力、性的暴力、屈辱的なことをさせられるとかね…それが日常。


そんな話どこにも残されてないよね。


そりゃそうだろ。本人は語ってないしあの屋敷の連中は言うわけないし。

毎日酷い目に遭ってるとね、分からなくなるんだ。まして小さかったし「お前が悪い!」と言われ続けて、洗脳されたみたいに自分が悪いって思ってしまうんだ。

虐待されいる時も抵抗すると長引くから終わるまでじっと耐える。辛い顔したり泣いたりすると余計に酷くなるんだよ。


それで性格が歪んでいくのね…


悪かったな。でもそれも自己防衛だと… 

あーーもーーこんな話よそうぜ!


お姉さんは虐待のこと知らなかったの?


知らないね。


あの屋敷でお姉さんと一緒ではなかったの?


ないない。姉がいることすら知らなかった。あの人も弟がいるなんて知らなかったと思うよ。


日野で再会したんだっけ?


再会じゃなくて初めて会ったの!


その後お姉さんは結婚したんだよね。


いやいや、順番違うから。その後、姉は俺をして嫁に行ったの。


厄介払い?


そう、体よく周斎先生のところに弟子入りさせて試衛館に行かせたわけだ。

姉は日野、俺は試衛館。江戸の中心部だな。


試衛館に行ってからは、ほとんど会ってないんだっけ?


出稽古で行った時くらいかな。試衛館になんか来ないし。


でも日野に行ってもお姉さんちには泊まらなかったの?


誰がいくもんか!馬小屋でもいいと思ってたけど、日野の人達は優しくて泊めてくれる人がたくさんいて助かったよ。


お姉さんがいるのに他に泊まるって不思議に思われなかった?


姉のキツイ性格はあの辺りじゃ有名だったから、さもありなんだと思うよ。


困った時は助けてくれるとかないの?


あ…あるわけないだろ。一度だけさ、京に行ってすぐの夏かな。長くいる予定じゃなくて着るものがないから試衛館にある着物を送って欲しいと文を書いたら

「そんなこと出来るわけないでしょ!」って逆ギレした返事がきたさ。


日野と試衛館って距離あるからじゃないの?


距離があるとか以前に頼まれる気なんかないんだよ。

それを伊庭にグチったら、伊庭が着物送ってくれた。持つべきものは身内でなくて想い人だねぇ。


はいはい、惚気のろけはいいから。


あの頃の話は前にも書いてるからそれ出しゃいいじゃねぇか。


そだね。じゃそれは別件ってことで。

でね、ずっと聞きたいと思ってたんだけど怖くて聞けないことがあるんだわ。


何?!


あのね宗ちゃんってさ、田楽嫌いじゃない?


あーーこんにゃくとかに味噌が乗ってるあれな。


味噌が嫌いなんだよね?


そう、上に乗ってる味噌が嫌い!


でも味噌汁とかは好きだよね?


好んで作ってたねぇ。


でも味噌だけ味見するの嫌ってたでしょ?


あ、うん。嫌いだね。


でさぁ…あのね… まさか…なんだけど…

虐待されてた時に味噌によく似たものを口にさせられたんじゃないかと…


おいっ!それは味噌みたいなアレを食べさせられたってことか?


だって、アレに似た形の時だけ嫌いなんでしょ?


そこな、それ言う?


気になるんだもん!


俺も気になってたけど、スルーしてたんだ!


で、どうなの?どうなの?


全く記憶にない!


でも都合よく忘れてるのかもしれない…?


いいからそれ以上つっこむなーー!


そうだね。もしそれが本当にあったことで記憶が蘇ったら困るよね。


あーー?


ほらそんなもの食べさせられた口って知ったら愛しの伊庭さんにちゅ~できなくなるでしょ?


うわっ!やめろ!それだけはやめてくれ!伊庭に口づけしたくなくなる!



え、宗さん。なんだって?おいらに口づけしたくなくなるってどういう了見りょうけんだい?


あ、あ、、あ、、、秀頴、、、聞いてたのか?


ん、聞いた!ちゃんと聞いてた!

さ、宗さん弁明させてあげるから、こっち来て座って!


あーーーっ!いてぇよぉ…



宗ちゃんまた耳引っ張られて退場しちゃったよ~


ってことで今回も宗ちゃんの途中退場で終了しま~す!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る