第16話羽柴戦序章 ベネズエラ編 アンドリュー
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ベネズエラ人シェフ
【
「本当に出るのか?
「当然でしょう」
「アマルフィまでの費用はどうするんだよ」
俺はエンダーが何を言ってるのかわからずただおろおろとするばかりだった。
「費用は主催者持ちです。必要ならば申請をとのことだったので申請させていただきましま。理由も勿論記載しましたよ」
アンドリューはあの中に入って戦うつもりか?と聞きたいらしい。
「仮にそれが通って出場枠をゲットできるとしてお前、あんなメンツの中で戦える自信あるのかよ」
俺にはあいつが何を考えているのか全然わからない!
「カルネメチャーダで行きましょう。戦えるかどうかじゃないんです。僕たちの英雄に会いたいじゃないですか」
「‥‥‥え?まさか出んのか?三枝が!会ったことねーな。スゲーんだろうなー」
「ええ凄いですよ。今回ばかりはサティスルー家も邪魔はできないはずでし。なんせバックはあの羽柴幸一ですから」
あの時悔しい思いをしたのはムッシュ三枝だけじゃない‥‥‥
勿論一番悔しいのは失格にされて陥れられた本人だけど‥‥‥
俺達はいつも自分の限界に挑戦している。パーフェクトなんか存在しない百点のない世界で常に生身の人間相手に真剣勝負をしているんだ。
「今回の参加条件みましたか?復帰第一戦ですよ。僕達が応援しないで誰がするんですか」
「で、どうせ行くなら力試しってわけかよ」
「俺に何を作れって?」
「牛肉の煮込みです。シチューの概念に外れてはないでしょう?。飲み物はカルネメチャーダで使うマディラワインで決まりですから」
「でも羽柴幸一がカルネメチャーダを食べてるとは思えなくねーか?」
「今回は三強ですよ。自分の国の美味しいシチューを食ってもらいましょうよ」
「三強?」
アンドリューは首をかしげる。まさか俺達?
「そんな訳ないでしょ!」
アンドリューはなんでわかったって顔をして僕を見ている。
「三強、ムッシュ三枝・ムッシュアラン・ムッシュヴィンセント です」
他にも今年のアマルフィの祭典の優勝者のムッシュヴォーダンとか大御所もかなりの人数いると思うけど、大半は僕たちみたいにムッシュ三枝に傾倒してるやつらじゃないか?
「わかったよ。そう言うことなら一発軽い花火くらいあげられるように準備するか」
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