特別
「マサト大丈夫よ?私はマサトの気持ちが、少しわかるわ?」
さっきまでとは、まるで別人かの様な、優しい口調で、話し始めるユミ。
「私も少し似ているわ…私も常に絶望しているもの、いつだって人の目を気にしながら、合わせなが、生きていくのは疲れるわよね…
マサトは、何に絶望しているの?」
「オレは…今日、ユミにバレた事に絶望しているよ…
今まで、必死に隠しながら、皆んなに嫌われない様に、必死に自分を取り繕って生きてきたのに…誰とでも楽しく過ごせてる様に、演じてるのに今日もう終わってしまった…」
「本当に?それだけなの?」
必死に答えた返事さえも、なんの躊躇なく否定するユミ。
「そうだよ!!」
「なら、どうしてマサトは今、笑っているの?」
「えっ」
ユミに言われるまで、気がつかなかった。
ユミの恐怖に顔がひきつり、怯えて、涙まで流したはずが、今笑っていた事に。
「今日、私にバレた事に落胆してるわけでは、ないでしょ?
マサトは常に、自分に絶望しているんじゃないの?
取り繕う事でしか生きていけない自分に、絶望しているのでしょ??
私にバレたからじゃない、マサトも自分の心に気がついた時から、常に自分に絶望してるのよ?」
胸が引き裂かれたかのような痛みが、心を縛り上げた。
それと同時に、マサト[も]と言った事に引っかかり、淡い期待も抱いてしまった。
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