第3話 嘘

 さらに決定的なことがあった。フィオナさんの家のインテリアと全く同じ景色を、あるお店で見付けてしまったんだ。そこはカフェだった。


 Aさんはカフェ巡りも好きだった。女性の友達と週末、カフェでおしゃべりする。値段はちょっと高いけど、その代わり、服や化粧品にお金はかけない。頑張って働いているから、自分へのご褒美だった。


 郊外に、友達が見つけて来たお洒落なカフェがあった。奥には庭もあって、店内にいくつかセンスのいいソファーが置かれていて、まるで自宅のようにくつろげる。窓を全開にしていて、店の空間が芝生の庭につながっていた。まるで、”我が家”・・・というのがその店のコンセプトだった。


 Aさんはお店のマスターにフィオナさんのブログを見せた。


「ああ、このブログ知ってますよ。この人も知ってるんで、大丈夫です」

「あの・・・フィオナさんっていつ頃来るんですか?」

「そうですね・・・週1回くらいかなぁ・・・」

「え、会いたいんですけど・・・いつ頃来ますか?」

「あ、そうですか・・・会わない方がいいんじゃないかな」

「どうしてですか?」

「イメージ変わると思いますよ」

「どうしてですか・・・」


 フィオナさんがオーナーから聞いたのは驚くべき話だった。


 他で絶対言わないって約束してください。


「もちろんです」

「どこから話していいかわかりませんが・・・」

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