もちろん嫌な事はあったけど、可愛い女性とイチャイチャしたり、ちょっぴりエッチな生活を送って、ハッピーエンドを迎えられたので、幸せ一杯です! (短編集)
憎たらしいクラスメイトが、お前みたいな冴えない奴を好きになる奴なんていないと言ってきた。いや、こんな俺でも好きになってくれる女子は居る! そう信じていたから、可愛い彼女が出来ました!
憎たらしいクラスメイトが、お前みたいな冴えない奴を好きになる奴なんていないと言ってきた。いや、こんな俺でも好きになってくれる女子は居る! そう信じていたから、可愛い彼女が出来ました!
テーマパークに着くとチケットを買って入場する。
「どこから回るん?」と愛羅さんが歩きながら聞いてきたので、「えっと……今日は醜い魔法使いをメインにしたいから後にして、右からグルっと回ろうか」
「了解!」と、愛羅さんはビシッと敬礼をする。
「パンフレットはうちが持つから貸して」
「ありがとう」
俺が返事をしてパンフレットを愛羅さんに渡すと、愛羅さんは黒いハンドバッグにしまってくれた。
それにしても……こうして横から愛羅さんを見ていると、スラッとしていて本当に良いスタイルしているなと思う。まるでモデルみたいだ。それに整った顔をしているから陰でファンクラブが出来ているのも知っている。なんでそんな彼女が冴えない俺なんかを誘ったんだろうか? 不思議で仕方がない。
「ん? せっかくのテーマパークなのに、うちの方を見てどうしたん?」
「あ、いや……ちょっと気になることがあって」
「気になること? なんや?」
「えっと……何で愛羅さんは俺を誘ったのかなって」
「あぁ……」と愛羅さんは返事をすると、顔を正面に向ける。
「──怒らんで聞いてな」
「うん」
「君なら……大丈夫だと思ってん」
「俺なら大丈夫?」と聞き直すと、愛羅さんが突然、走り出す。
その先には、このテーマパークのキャラクターの一人。ウサギのウサピーが居た。愛羅さんはウサピーの前で立ち止まり、「ウサピーや! 本物や!」と、今にも飛び跳ねそうなぐらいに、はしゃぎだす。
もしかして、ここに来るのは初めてなのかな? 俺はそんな愛羅さんをみて、子供みたいで可愛いなと思いながら、近づいた。
「なぁなぁ、夢斗君。写真撮ってぇ」
「分かった」と俺は返事をして、ズボンのポケットから携帯を取り出し、構えると「じゃあ撮るよ」
「うん!」
何で俺なら大丈夫だと思ったのか……聞きそびれてしまったけど、まぁいいや。そう思うほど、写真に写る愛羅さんの笑顔は輝いていた。
※※※
テーマパークを半分ぐらい回り、俺たちはパーク内のレストランで食事をすることにした。
愛羅さんはキャラクターが描かれた可愛い透明なカップに入ったラズベリージュースを、ストローで美味しそうに飲んでいく──その様子を黙って見つめていると愛羅さんは突然、俺の前にカップを突き出し「美味しいよ、飲んでみぃ」
「え、良いの?」
「うん、良いで」
と言ってもな……完全な間接キスじゃん。ストロー外して飲むのは失礼だし、良いのか本当に?
俺が迷っていると、愛羅さんは眉を顰めて「──あ、ごめんな。うちが口を付けたの嫌やな。まったく……だからガサツでデリカシーが無いなんて言われてしまうんや。堪忍な」と言って引っ込めようとする。俺は慌てて手を伸ばし、愛羅さんの腕を掴むと首を横に振った。
「違うよ。そういうんじゃなくて、ただ俺は……愛羅さんが嫌なんじゃないかと思っただけだよ」
「良い、言うたやん」
「そうだね、言ったね。あの……今からでも良いなら、ちょっとだけ貰っていい?」
「もちろんや」
「ありがとう」と、俺は手を伸ばし、カップを受け取る。
愛羅さんがニコニコ笑顔で見守る中、俺はストローに口を付け、ゴクッと一口もらった。
「本当だ。美味しいね」
「そうやろ? 美味しいねん」
愛羅さんはそう言って、カップを自分の方へと戻すと、何も気にせず飲み始める。──愛羅さんみたいなタイプは、遠慮するとかえって傷つけてしまうのかな?
だったら何も気にせず接した方が良いのかもしれない。俺はそう思いながらコーヒーを口にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます