もちろん嫌な事はあったけど、可愛い女性とイチャイチャしたり、ちょっぴりエッチな生活を送って、ハッピーエンドを迎えられたので、幸せ一杯です! (短編集)
可愛い幼馴染はいつの間にか俺に素っ気ない態度をするようになっていた。それでも俺は君から目が離せない
可愛い幼馴染はいつの間にか俺に素っ気ない態度をするようになっていた。それでも俺は君から目が離せない
休日になり、俺は小腹が空いたので、近くのコンビニへと向かった。店に入ると「いらっしゃいませ~」と、女性の声がして奥に進む。
田舎のコンビニだけあって、人は店員さんだけだった。えっと……とりあえずポテトチップスに、板チョコを手に取り、レジへと向かう。
「あ……」
すると見慣れた女の子がコンビニの制服を着て、レジに立っていた。向こうも俺に気が付いたようで、目を丸くして驚いている。俺は立ち止まっていても仕方ないので、レジに商品を置いた。
「いらっしゃいませ」
「佳奈恵、ここでバイトしてたのか」
「何であなたがここに居るの?」
「何でって家から一番近いから」
「そうだけど……」
佳奈恵はそう言って、手際よくお金を受け取り、お釣りを返してくる。
「ありがとうございました」
素っ気ない態度はいつものことだが、何だか様子がおかしい。全然、俺と目を合わせようとしてくれない。俺が商品を受け取り立ち去ろうとすると、佳奈恵はガシッと俺の手を掴んだ。
「私のバイトは日曜日の昼から17時まで。その……恥ずかしいからもう来ないで」
佳奈恵にそう言われて一瞬、理解が出来なくて固まってしまう。
「あ、次のお客様どうぞ」と言った佳奈恵の声に我に返り、邪魔にならない様に、そそくさと店を出た。
もう来ないでね……確かに知り合いにバイトしているのを見られるのは恥ずかしい気がするが……ダメだ。拒絶されたようで、ショックを隠せない。
トボトボと帰り道を歩いていると、携帯が鳴る。俺はズボンから携帯を取り出すと、メールを開いた。相手は佳奈恵からで、『さっきはごめんなさい。話したいことがあるから、18時に家の近くの公園で待っていてください』と書かれていた。
「なんだ? ──まぁ、行ってみれば分かるか」
※※※
約束通り俺は10分前に公園へと向かう。俺が到着すると、佳奈恵は公園灯の下にあるベンチに座り、待っていた。
佳奈恵は俺に気付いたようで、スッと立ち上がると優しく微笑んだ。余所行きのワンピースを着ているせいか、いつもより大人びている様に感じる。
「お待たせ。話って何かな?」
「さっきはごめんなさい。私、いつも一言足りないから、傷つけてなかったか心配で……」
「あぁ……大丈夫だよ。確かに知り合いにバイト姿を見られるのは恥ずかしいよな」
「うん……」
まだ何か不安のことがあるのだろうか? 佳奈恵は、か細く返事をして、うつむいた──少し黙って様子を見ていると佳奈恵は俺に近づき、遠慮深げに両手で俺の手を握る。
「それもあるけど……他の誰でもないあなたに見られるのが一番、恥ずかしかったの」
「俺に?」
「うん……」と、佳奈恵は返事をして、顔を上げて上目遣いで俺を見つめる。
「私、あなたが好きなの。だから見られたら、恥ずかしくてテンパっちゃうから、来ないで言っちゃってたのよ……」
「え……ちょっと待って。佳奈恵は俺の事を嫌っていたんじゃ……」
佳奈恵は首を傾げ「誰がそんなことを?」
「いや……誰も言ってないけど、高校に入ってから素っ気ない態度になったし、てっきりそうなのかと……」
佳奈恵はクスッと笑うと「それは成長するにつれ、照れ臭くなったからだよ」
「マジか……」
「あなたって鈍感ね。今までを振り返ってみなさいよ。嫌いな相手と同じ委員会に入ったり、部活したりする? 体を密着させたり、髪の毛を触らせたりする? ──しないでしょ?」
「あー……しないよな」
「でしょ?」
佳奈恵はそう言って、恥ずかしそうに髪を撫で「真弓ちゃんとイチャイチャしているのをみて、私。ヤキモチを焼いていたんだからね」
「はは……そうだったのか」
「ねぇ……返事、どうかな?」
俺は佳奈恵の手をギュッと握ると「もちろん、俺も好きだよ。──だから、付き合って欲しい」
「うん……これからも宜しくね!」
俺の思い込みで遠回りをしてしまったけど、無事に佳奈恵と結ばれて良かった。ずっと君のこと目を離さなくて正解だったよ。
俺はそう思いながら、佳奈恵を優しく抱きしめた。
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