『雪と餃子』
雪が降っている。
バスから見た雪景色はまるで別世界のようで、外の寒さなんて気にもならない。
安全地帯から見た世界は、ひどく綺麗で冷たかった。
息を呑む瞬間があった。
かける言葉も見つからず、次の言葉を探すあの瞬間が世界で一番居心地が悪い。
まぁ、かけられる側は知った事ではないだろうが。
そんな長い様な一瞬の時間が終わっても、すぐにはその緊張が解けることはない。私は決まって帰りのバスに乗り込み席に座った瞬間、一気に眠気の様な疲労に襲われるのだ。
今日の晩御飯は何を食べようか。嫌な思い出を頭の片隅に寄せて晩御飯のことを考えるが、まるで机の上に散らばったものを適当に片付けて食事をとる様な窮屈さがある。
もう、仕方が無いから風呂に入る前にここに書き記してしまおうと思う。
今日の晩御飯は餃子を食べた。母の手作りで、この前実家へ行った時に持してくれた。母は餃子のタネから作る様な人で曰く「料理はストレス発散になるから」と割となんでも作る人だ。そのうえ母の作る料理は美味い。
母は基本おおらかで、でも快活な性格だった。本人に自覚があるのかはわからないが、いつも周囲の人間に良くも悪くも影響を与える様な、我が母親ながらカリスマ性みたいなものがある人だ。
そんな母の作った餃子を食べながら、この餃子も母が言う様なストレスが練り込まれた餃子なんだろうか。
そう思うと、母もちゃんと1人の人間なんだなと思える。
カリカリの皮にタネは野菜や肉がぎっしりと詰まっている。慣れ親しんだ味は、スーパーで売っている市販のものとは違う。私は母の作る料理が好きだ。
餃子はとても美味しかった。
次、実家に帰るときには一緒に餃子を包んでみたいなと思う。
きっと会話に花が咲き、楽しい会話が練り込まれる餃子になるんだろう。
まぁそれでも、味は変わらないと思うけど。
そういえば、何か嫌なことがあった気がするけど何だったか。
晩御飯を食べ、これを書いていたら忘れてしまった。
今日も寒いし、暖かくして早く寝よう。
おやすみなさい。
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