第2話 着校
王都、とても広く物凄く栄えた、王の城とその城下町で形成される街。ここからすこし外れた森しか無いところに騎士幹はあった。
「ここが騎士幹……」
まあ大きい。正門からでは敷地の全て見えないくらい広い。あと周りが重厚な壁で覆われている。なんだか中の人が逃げないようにしてるみたいだが、おそらく侵入者から守るためのものだろう。
僕は正門をくぐり、受付に行く。
「あの、アレンです」
「アレンさんですね。…………一般採用の方ですね。こちらです」
この学校は貴族だけじゃなく僕みたいな一般人も行ける。僕みたいなのを一般採用、貴族を貴族採用という。
僕は紙を渡されて、指定された寮へ向かった。
「えっと、ここか。……3大隊って書いてある。ここで今日から暮らすのか」
寮の舎前玄関からロビーに入る。そこには騎士幹の制服を着た生徒がたくさんいた。
「すごいなぁ……」
「あ、君新入生だね? 名前は?」
生徒の1人が僕に話しかけてきた。確か下調べしたんだけど、肩に星がついてると上級生だった。この人は3個ついてるから4年生だ。
「アレンです」
「アレン君ね、了解。アレン学生が着校されました! 対番学生は至急一回ロビーまで!」
突然、4年生の方が叫んだ。すると慌てて誰かが走ってくる。
「ハァ……ハァ……、君がアレン君だね? 僕はライト、君の上対番だ、よろしくね」
「よ、よろしくお願いします」
そのあと、僕はライトさんについて行って、僕の部屋に案内してくれた。
「ここは寝室で隣が居室ね。で、ここがベッド。で、ここがロッカーね。荷物はきれいにたたんでロッカーに入れて」
「わかりました」
「まあでもまずは荷物を置いて、別の場所へ行くよ。結構やること多いんだよね」
ライトさんはそう言って僕についてくるよう言う。
「まずはそうだな。いま混んでなさそうだから健康診断に行こうか。医務室へ行くよ」
「わかりました」
医務室は寮のすぐ近くにあった。そこで僕は流れに沿って色々な検査をされた。結果は後にわかるらしいが、異常は無さそうということだった。ここで異常があったら不合格になるので、良かった。
次は制服の貸与に向かった。ここも流れに従ってライトさんと周り、サイズの合うように制服と、作業服、革靴、訓練靴などを選んでいった。そして帰るころには大量の荷物になっていた。
「あの、持ちますよ?」
そしてライトさんがそれのすべてを持っている。
「いや、いいよ。まだ君はお客さんだからね。それに今の君に持たせると俺がしばかれるから……」
お客さん? ライトさんがしばかれるってどういうことだろう。
受領の点検も済ませて荷物を寝室のロッカーに荷物を置いた。そしてそのころにはもう夕ご飯時になっていた。
「アレン君。お腹すかない?」
「もうペコペコです」
「だよね。じゃあ今から食堂行こうか。ついてきて」
また僕はライトさんについて行って食堂へ向かった。
食堂は全校生徒2000人が一斉に食事ができる広さで、長机がいくつもあり、それに合わせて椅子が大量に置かれている。結構壮観な景色だった。
そこで僕とライトさんはセルフサービスのご飯を取り、席について食べ始める。
「うまい?」
「はい、おいしいです」
「それは良かった。あ、そうだ。これから凄いものを見ることになるけど、こういうものだから怖がらないでね」
え? 怖がるなって、どういうことだろう。
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