#8
一部ヒヤリとする場面があったが王都の外へ出ることができた。それでもいつ追い付かれて命を狙われるかわからない。クイックムーブを多用しながら王都との距離をとって逃げる。
後ろから僕たちのことを追いかけている人影は見えない。いける!このままいけば逃げ切ることができるぞ!
やっぱりあの村に帰るならこの道を通るよな?なぁ、お二人さん?
あぁ、待ち伏せしていた刺客たちがいるのか。そうだよな。生かしておくわけがないもんな。逃げることを想定して道に待ち伏せを置いておくのが妥当な策だと言える。
王都のお偉い貴族さんたちがヨォ、至上主義の思想に反したお前たちのことを邪魔な存在だと言ってるから、何も言わずに死んでくれねぇかな。
竜人族の男がそう言ってきた。
そう言われて今まであなたのターゲットは「はいそうですか。じゃあ死にます。」って言った人いたら教えてくださいよ。
けたけたと笑いながら母はいう。実際進んで死を選ぶ奴なんてどこにもいないと僕も思う。その言動に痺れを切らした男は
うるっせぇ!さっさと死ねや!!
取り囲んでる奴らが魔法の準備に入った。周りの敵から魔力の流れを感じる。まずい、このままでは魔法を打たれて死んでしまう。どこか、どこかに逃げる隙はないか。
火の精霊に命じる・・・・・
……え?これって詠唱?だよね?詠唱って必要なの……?
これ、逃げれるな。よかった。隙しかないね、すぐさまクイックムーブで男の裏に回って逃げた。
な!?無詠唱で魔法だと!
聞いてて恥ずかしくなる。そもそも魔法の使用に詠唱が必要だなんて初めて知ったぞ。いつも母さんとの訓練では詠唱なんてしなかったから全ての魔法はそうであるのかとおもっていた。
案外何事もなく村に帰り着くことができた。
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