#3
その宝石は片手にすっぽりと治ってしまうくらいの大きさの綺麗な宝石だった。
この宝石はね?魔力をこめた人が得意とする属性の魔法を感知して色が変化するっていうちょっと変わった宝石なの。火の魔法を得意とするなら赤色に、水の魔法なら青。自然や風を操る魔法なら緑、他にも属性があって色が変化するのだけどその色になったら属性を教えてあげるね。
お母さんはあたかも僕の得意とする属性は別にあるように話している。まずはこの宝石に魔力をこめないと話が進まないので力をこめてみることにする。僕の体に眠るものを感じ取りゆっくりと宝石に流し込んでいく。魔力が流し込まれていなかった状態は混じり気のない澄んだ白い色をしていたその宝石は徐々に色が変わっていくのがはっきりと見えている。赤、黄色、さまざまな色に変化してどの属性が得意かを探しているように見える。1分ほど魔力を少しずつこめているとようやく宝石の色が安定してきた。
宝石は黒色と透明が混ざり合って渦を描いている。
お母さん、色が変わらなくなったよ?これってどんな属性の魔法が得意って出てるの?
お母さんはやっぱりこの色になるのねと言わんばかりの表情で僕に話しかけた。
ルナはね、お父さんの幻影魔法と、お母さんの空間魔法の両方が使えるのよ。幻影魔法は使えないからほとんど教えてはあげられないけど、空間魔法はお母さんすっごく得意だからたくさん教えてあげるね!
僕が使える魔法は2種類あるようで、特殊な属性の二つを使える人は少ないのだという。僕はこれから今までやってきた魔力感知、魔力操作の訓練に加え、空間魔法の訓練も追加で行うことになった。
空間魔法初日の訓練は短距離を瞬間的に移動することができる
空間魔法は自分だけでなく周りの人や物体にも影響を及ぼすことができる。それを利用してこの修行メニューを考えたようだ。魔法は理屈でどうにかできるものではない。自分で使って自分の体で感覚を掴むことが大切だと、訓練をつけている時の口癖だった。
まず最初は小さいものから木の器やカトラリーなどで空間魔法を実践した。初めはうまくいかずともお母さんは応援を続けてくれたし、アドバイスもたくさんくれた。そして僕は1ヶ月と少しで自分の体くらいの大きさのものなら空間魔法を付与し、物体の瞬間移動と縮地を使えるようになるまでに至った。
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