第95話 新学期はもうすぐです
新学期を前に皆色々と考えます。
――――――
俺立石達也。玲子さんと二人だけで映画を見たその日、早苗の想定外のトラブルで途中になってしまった。
精神状況が不安定だった早苗とは、翌日朝から…。駄目だと言ったのにまた朝から俺のベッドに潜り込んで来たが、理由が俺と一緒に居ないと不安という事で仕方なく午前八時までそのままにしていた。何もしていないよ。
それから早苗の我儘でデパートの有る駅まで行って、昼食を摂って映画を見て早苗の家に帰って来た。女の子ってどうしてこういう事をするんだろう。これって玲子さんと同じルートだよね。
早苗の家に両親はいなかったので、早苗の希望をかなえてあげた。午後五時半には、一度駅の喫茶店で話をして、早苗を家に送って、俺は家に戻った。
母さんと瞳と一緒に夕食を取りながら瞳に春休みはどうしているんだと聞くと友達と適当に遊んでいるという。
もしかしてと思い相手は男の子かと聞くと、そんな訳無いでしょと軽くあしらわれたが、もう高校二年になる。良いのかな?良く分からん。
風呂に入った後、昨日警察署で警官に言われた事が気になっていた。早苗を襲った二人組は誰かに頼まれてそいつの所まで早苗を連れて行くだけの事で彼女に乱暴しよういうつもりはなかったらしい。
誰から頼まれたかは、中々口を割らないので、分かったら知らせてくれると言っていた。当分、早苗から目を離す訳にはいかなそうだ。
私、立花玲子。昨日は桐谷さんに大切な時間を邪魔されました。本当はあの後、私のマンションに来て、色々お話をして…。あれも…これも…それもするつもりだったのに。
あの子が現れなかったらと思うと悔しくてたまりません。
でも桐谷さんを襲った二人組少し調べてみましょう。彼女に万が一有れば、色々なリスクを伴う事案が発生する可能性があります。
でもどうしようかしら、あの後の続きは春休みの内に達成したいです。明日香が来る前に。しかしあの子も仕方ない子ですね。まあこの前の印象では達也さんが彼女に興味を持つとは考えにくいですけど。
私本宮涼子、妹涼香の下校時の爆弾発言で妹とはあの後、大分言い合いになってしまった。
両親が止めなければ殴り合いにでも発展しかねない状況だった。しかし妹まで達也を好きになるとは、それも二番目の彼女で良いなんて。ふざけている。その場所は私の物。いきなり現れてその席を取られる訳にはいかない。
でも毎日顔を合わせないといけないのも事実。何とか妥協点いえ、妹を諦めさせる方法は無い物かしら。黒田君、妹に興味を持ってくれればいいのに。あの子の事もまだ解決していない。
達也にも相談したけど、いい案が無かった見たい。なんとか私を諦めさせる方法を考えないと。新学期からあれでは憂鬱になってしまう。
私三頭加奈子、春休みに入ってすぐの日曜日と今こうしてまた達也と会っている。会ったらあればかりはという事で、今日は遅い昼食を一緒に摂った後、公園を散歩する事にした。もちろん彼と別れる前はするけど。
散歩をしている時、達也が桐谷さんが暴漢二人に連れ去られそうになったけど、未然に防ぐことが出来た。その二人は誰かからの依頼でそうしただけだと言っていた。
私は彼と手を繋ぎながら
「達也、その件、私の方で調べるわ。結果は後で知らせるけど犯人については、どうするつもり?」
「どうするって…。警察に一任する事しかないんじゃないですか」
「達也、誘拐は未遂。でも未成年誘拐は未遂でも重い刑になる。依頼者は共犯。当然そんな事知らないって言うわ。もしつながりが有ったとしてもそれを証明できなければ無罪。
そうすればもう一度同じ事を桐谷さんに仕掛けてくる。そんな芽は早く摘んでおいた方がいいわ。達也さえ良ければ、私の方で処分するけど」
「何でそんな事を?」
「だって解決できないとあなたの事だからずっと桐谷さんの傍に居ようと思うでしょ。それは困るわ。だから…分かるでしょ」
俺本当にこの人と今後も一緒に居るのかな?
「分かりました。この件は任せます。でも依頼した人間の名前は教えて下さい。今回の二人との関係も」
「分かったわ。でも達也桐谷さんには教えちゃだめよ。分かっているでしょ」
「はい」
「じゃあ、そろそろ散歩も終わりにしようか。私の家に行こう」
「はぁ」
「達也、したくないの?」
「いえ、今のは…」
「今のは?」
「加奈子さん凄いなと思って」
「何を言っているの。こんな些細な事。達也には私と同じ法律を勉強して貰う。私達の様な人間は、生きる上で一番の武器、法律という武器を手に入れていないといけないわ。
もちろん優秀な専門家はいるけど、いつどこでどうなるか分からないのが世の中よ。その為にはしっかりと法律を学ぶことよ。別に弁護士とかになろうって訳ではないから司法試験なんかは受けないけど」
なんか三頭家いや加奈子さんの事を知れば知る程凄い世界で生きて行くのかなと思う様になって来た。
そう言えば俺の父さんも爺ちゃんも法律には詳しいな。そういう事なのか。
「さっ、達也帰ろ。ふふっ、でも達也が我が家に泊って行くというならまだ散歩していても良いけど」
「えっ!さっ早く加奈子さんのお部屋に行きましょうか」
「ふふっ、それで良いのよ」
私、桐谷早苗。あの件が有って以来、達也はいつも私の側に居てくれる。出かける時は絶対に付いてくる。この前なんか下着売り場に行った時、前は絶対に入らなかったのに顔でお湯が沸くのかしらと思う程真っ赤な顔をして側にいてくれた。
達也は私が本当に大事なんだと分かる。めちゃくちゃ嬉しい。でもあの事件が無かったらこういう風にはいてくれないから複雑な気持ちだけ。
もうすぐ新学期。成績は同じレベルだからクラスも一緒。まああの人達も一緒だけど。新学期始まっても達也を独り占めできるかな。ふふふっ、新学期が楽しみだわ。
俺立石達也。数日で新学期が始まろうとする日に加奈子さんから連絡が有った。もう決着がついたと言っていた。だが、あのチャラ男達に依頼した人間の名前を聞いて驚いた。
笠井直之。
学校に知れると男子テニス部まで廃部になる可能性がある。あいつは次期テニス部キャプテンだから余計だ。
だが他の男子テニス部員には全く関係ない事。女子テニスの子達を見ている俺は何とか出来ないかと相談した所、俺が言う前に自主退学にさせて地方の高校に行かせる事を決めているという。もう新学期には出てこないそうだ。
警察には依頼者ではないという事にして貰ったらしい。警察はこれで事件の捜査を打ち切ったそうだ。
まあこれで早苗の事は安心だが、三頭家本当に怖くなって来た。俺内縁の件絶対に断れないのかな。
――――――
まあ何と言うか。小説なのでご理解を。
さていよいよ新学期が始まります。
後一年(三年生分)でこの物語綺麗に終わるのかな?
でも大学編はありませんから決着付けます。ガンバッ!!
次回をお楽しみに。
面白そうとか、次も読みたいなと思いましたら、ぜひご評価頂けると投稿意欲が沸きます。
感想や、誤字脱字のご指摘待っています。
宜しくお願いします。
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