第5話 祝 社ハウス完成
浮気現場を押さえられた流花は 栗栖や栗栖の両親の前で平謝りに謝った。
「愛ちゃんが居なくて寂しかったんだよ。もうしない 愛ちゃんの事は誰よりも愛しているしあの女とはもう会わないから許してほしい」
「次は無い!」
「もちろんです! 愛ちゃんと子供達を大事にします 誓います」
生まれて間もない子供達を父の無い子にはしたくない。
栗栖と 栗栖の家族からもきつく きつく言われた流花は涙を浮かべて謝り宣誓までした。
栗栖が双子を連れて アパートに帰ると流花は双子を可愛がり 愛の事も大事にした。
*
「しばらくは良かったのよね その女とは流石に別れたしね。
父から ”家を買った、シェアハウスをやる”って聞いたのはユナ達がハイハイしてる頃じゃなかったかな?
突然、何を言い出したのかと驚いたけど、突然じゃなかったのね
”相談に乗れ”って言われて 子供達を母に見てもらいながら 開業計画を立てるのは本当に楽しかったわ
夜は 双子の世話で大変だったけど流花も子供と遊ぶ位の事はしてくれたからね まぁ泣き出すとワタシ任せだったけど… 懐かしいなあ」
その頃を思い出した様に微笑む栗栖に ミニトマトを嚥下し終えた茉莉が聞いた
「シェアハウスの完成パーティの事はよく覚えてる。双子ちゃん可愛かったよね」
***
リフォームが終わり 栗栖の両親 蛍 茉莉絵は 「
社ハウスの由来は 栗栖父が最初「社ハウス」だと思った事だ。
女子専用の建物だと分かるのはよろしくないので 表札に「社」とだけ掲げた、これ見よがしに防犯カメラが付いている以外はごく普通の家の様な佇まいだ
広めのリビングの家具類は全て 栗栖の見立てだ
低めのダイニングセットで5人は祝杯を挙げる
つかまり立ちを始めた双子は ベビーサークルの淵につかまり立ちをして 得意顔で大人達を見ていた。
「蛍ちゃん 茉莉ちゃん 時間外に仕事させてすまないね」
栗栖父の言葉に首を振って 蛍がワインを数本 クーラーバックから取り出す
「勤務時間内だったら飲めないじゃないですか!これお祝いです」
「社ハウス 完成 乾杯!」
栗栖父が音頭を取った。
小さい庭兼駐車場(もちろん本日は車ではない)
一階は リビングダイニングと和室 そしてお風呂とトイレ
二階は 6畳くらいの部屋が3つと 四畳半が一つ とトイレ
一階の家電家具はほぼそろったが 二階の居室の家具やこまごましたものをそろえるにはもう少しかかるだろう
「賃貸の条件や 募集時期についても考えておいてください。もちろん 当社でもご相談――」
「蛍! 今日は 仕事の話はもう終わりにしよう!」
募集が始まるころには もう 自分は社ハウスとか無関係になるのだと思うと残念で寂しくて 栗栖は蛍の言葉を遮った、が 蛍も負けない
「一言だけ!管理人の条件は詰めておいてくださいね!」
「はい!以上 飲みましょう!ってか ジュースもありますよ」
茉莉が強引に話を切り上げさせた
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