第18話: なぜ、社会は変わらないのか? ⑥

 しかし、そのような判断はあまりしたがらないのが今の日本だ。なぜなら、相手の立場に立てないため、上に行くと上に行くだけ下は一切見ることはない。仮に今まで友達だとしても上に行くとあまり関わりを持てなくなる事もしばしば見受けられるのだ。


 今の日本に大切なのは“1人1人が働ける社会”を目指すことだと私は思う。もちろん、自らの意思で働かない人もいるとは思うが、それは本人の意思ではあるが、何故そうなってしまったのかをきちんと把握する必要がある。そして、その要因となった因子(ファクター)を取り除くもしくは軽減できるように支援していかなくてはいけないと思う。


 特に、不正解雇や本人の精神衛生上に支障を来す事柄が絡んでいる場合には時間を掛けてゆっくりと考えていかなくてはいけない。なぜなら、そのような人たちは仕事を見つけるよりも会社の中を気にするため、なかなか一歩を踏み出すことが難しくなってしまう場合が多い。その結果、そのような人たちが退いたことにより、慢性的な人手不足や人材不足を招いてしまう。そして、その人達の穴を埋めるべく今まで働いていた人たちも過労や蓄積疲労によりどんどん倒れていってしまうケースや事業拡大などの際に新たな人材を確保するのが難しくなってしまうケースも少なくない。


 つまり、きちんとした労働環境を整備されていないと連鎖的な人材減少につながっていってしまうのだ。


私は言いたい。これらの問題に対してどのように立ち向かうことが正しいのかをきちんと示して欲しいと。そして、ここまで精神を病ませてしまう要因が何なのかをきちんと分析し、労働基準法を含めた労働改革を進めなくてはいけない時期に来ているように感じる。

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