第15話: なぜ、社会は変わらないのか? ③
3つ目は“各種格差に対する対策不足”だ。これは、私自身が最も危惧していることの1つだ。特に雇用格差や待遇格差が広がることで生活水準は安定しなくなり、所得格差も同時に広がるため、プライマリーバランスが崩壊する可能性がある。そして、現在は見込みを含めて約7万人の人が失職する事になる3088うだが、私は最終的には10万人近くなるのではないかと予測している。なぜなら、雇用調整助成金などが支給されていた企業であっても補償分以外は売り上げに関わらず毎月固定額が出ていくため、毎月一定額が減っていくのだ。そのため、社員数が多い企業にとっては内部留保が底をつき始める可能性があり、仮にそうなった場合には年末に人員整理などを行わないと生き延びられない可能性がある。
しかしながら、今の日本ではこのような状況になってもすぐに再就職が見つかるのは多くなく、アルバイトやパートでつながなくてはいけない。その結果、所得が減ることによって不足する支出分は持っている物を売って生活費などに充てなくてはいけない。つまり、消費する余裕がなくなり、新たな物を買うよりも既存の物が中古品として市場に出て行くだけになってしまうのだ。
そして、このような状況になってしまっては双方にはメリットはないと思っている。しかし、今はそのような人の声が黙殺されているように感じる。なぜなら、マスコミが取り上げるのは“明るい日本”で“暗い日本”は取り上げない。そのため、本当に苦しんでいる人の声が表面化せず、彼らに不必要なダメージを与えているだけでなく、再び働くという労働意欲すら失わせてしまう可能性があるのだ。そして、そこに家族という存在があるとさらにどうしたら良いのか分からず、何でも良いから仕事をしないといけないという焦りが生まれる。
私自身は今でも「何でも良いから仕事をしなくてはいけない」と思うことがある。ただ、私自身の失敗がそれらの考えを打ち消してしまっているのだ。
このような状況でどうしたいのか分からない・何もアクションを起こしていないところを見ると、どこか上層部が勘違いをしているように感じる部分も少なくない。
今の日本は諸格差に関して真剣に考えているのか疑問に持つ部分が多い。例えば、若くしてお母さんになった人に対して直接・間接を問わず否定や誹謗中傷すること、仕事をしていない人に対して実情を知らずに思い込みや先入観で傷つけてしまうなどあってはいけない行為が多いような印象を持っている。
なぜ、人を傷つけてもなんとも思わないのか?理由は簡単で“自分だけが良ければなんでもいい”という自己中心的な考え方や“自分の感覚が当たり前”という今までの自己基準の正当化が進んでいるからだろう。もちろん、彼らの感覚も法律に抵触するようなことでないなら正当化しても良いが、そうでないなら正当化するべきではないだろう。
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