第9話:経済格差は妥当なのか? ②

 もし可能なら、最低賃金法だけでなく、労働基準法の雇用区分に基づいて賃金を一定の上限と下限を決めて大きく差が出ることがないよう管理することも必要になる。


 しかし、失職してしまった人に対してどのように対処するべきなのか?もう一度考え直すことも今後の社会経済活動において重要な論点になってくるだろう。


 現在、失業率が3.0%(引用元:総務省統計局8月値)と月を追う毎に上昇傾向にある。もちろん、感染症関連ではなく自己都合な度を含んだ総合値である可能性もあるが、ここから悪化を止めるかを考えなくてはいけない。そもそも、失業率が上昇している理由として企業の経営悪化も関係しているが、1番は“業務のマンネリ化”だと私は推測している。これは、感染症が急拡大し、緊急事態宣言が出された頃からテレワークなどの在宅勤務が推奨されていて、毎日変わらない風景を見て過ごしてきた人にとってはマンネリ化や新しいことをしたいという気持ちを芽生えさせる1つの要因になっているように感じる。もちろん、勤務先の倒産や経営悪化による人員整理も含まれているが、それ以外の事由も高い値を占めているため、このままでは経済が崩壊する可能性もある。


 しかし、経済が低下しすぎてしまい、取り返しの付かない事態を引き起こしかねない事態になっているのは誰の責任でもないが、経済を回復させるには個人所得を上げるか、安定的雇用が最優先事項だろう。その上で、賃金を一定水準で推移させることで個人の経済力を安定させることにつながり、貯蓄もしつつ少しでも消費を促すことが出来るようになるのではないだろうか?


 今の状況では働いている人であっても将来の不安から財形貯金や定期貯金など一定額を銀行に預けることを選択する人が多いのが事実だろう。それでは、経済は回らない。いくらお金がある人だけが頑張って消費しても経済状況は好転しないのだ。


 自分が独自にマーケティングしてみたが、お金がある人ほど貯金に向かい、お金がない人ほど貯金と消費に向かうという印象を受けた。これは私見だが、前者は精神的にも心理的にも余裕があるため、欲しいものを買っても精神的に追い詰められることはない。しかし、後者はお金がないだけでなく、自由もないため、1つ物を買う毎に罪悪感や不安が襲ってくる。そのため、物を買うことに対して罪悪感を抱くと財布が堅くなっていくのだ。


 だからこそ、同一労働同一賃金が定着することが大事になってくる。今は、正規雇用・非正規雇用-1・非正規雇用-2と細分化しているように感じていて、正規雇用と非正規雇用でも大きく経済的な格差が拡大しており、このままでは経済格差が更に拡大しかねないと思う。

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