第8話:経済格差は妥当なのか? ①
現在、感染症拡大に伴う失業者が増加しており、所得の大幅な低下が危惧されている。
私はこれから更に経済状態が悪化することで精神的に追い詰められることや購買意欲の低下により経済の悪化など懸念している。
日本という国は“労働権”と“職業選択の自由”が存在するが、今の状態ではそれらを十分行使できてないような状態になっているのではないだろうか?と疑問に思う。
今は給付金など経済対策を立てているのだが、うまくいかないことは想定外なのだろう。この理由として、いくつか上げたいと思う。
最初に“安定的な雇用の不確約”だ。今は正社員などの正規雇用の在職率が少しずつ低下に推移しているように感じるが、派遣社員など非正規雇用の在職率が離職率を下回っており、このままでは安定的な雇用を維持することが出来なくなり、国民生活に大きな影響を与えるだけでなく、経済活動にも大きな支障が出てしまう。
現在、有効求人倍率の低下も顕著になっており、これらの状態が長期化することで安定的な雇用が完全に失われることになり、国民の生活基盤が崩壊する可能性がある。特に、日本の場合は組織主義の部分が多く、独立をしても会社員のように安定的な生活が出来る訳ではなく、知名度や信頼関係等が必要になる。
しかし、今は会社の利益にならない人材はどんどん切られていっており、新たに職を探す人、個人活動などに移行する人とさまざまな選択をする人がいる。
私はこのご時世で再就職が出来るのはごく一部だと思っている。なぜなら、感染症拡大により、各企業の業績が悪化している。そのため、即戦力や経験者を優遇しなくては生き残っていけないからだ。このような状況を考えるとこれからは会社にとって利得のある人材を求められているように感じる。私自身も就職活動をしていたこともあるが、全く結果が伴わず、とても苦労したことがある。
今は求人自体が少ない訳ではない。しかし、なかなか採用されないことが多い。これは、私の経験から推測するとおそらく教育に時間がかかるということだろう。
おそらく、相手も嫌で落としている訳ではない。この状況下ではブランクがある人や未経験の人を雇うだけの余裕がないのかもしれない。では、その人たちの受け皿をどこに持ってくるのだろうか?
そこで、きちんと整備して欲しいのが、失業者の生活再建をするためのプロセスだ。例えば、今まで会社員しかやってこなかった人がいきなり起業するのは難しい。まして、入社3年未満ではよほどの経歴がない限り自分で何かをするというのは無謀なことであると推測できる。また、年齢が上がるだけ経験業種以外への再就職の道が狭まる可能性もあるため、なかなか新しい職に就くことが難しい。
だからといって、生活を営む以上働かないと生活が成り立たなくなる。しかし、働ける場所がないとなると生活は崩壊してしまう。もちろん、銀行や消費者金融からお金を借りることも可能だが、一定の条件を満たないと借り入れは出来ない。
つまり、今の社会はどちらかというと光の部分しか可視化することが出来ないため、その下でもがき苦しんでいる人やどん底に落ちてしまった人の気持ちを理解することは出来ないだろう。
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