3-19 玄冥山
まるで犬猫のようなその瞳の光を、怖いとは少しも思わなかった。
「目が覚めた? 身体は平気?」
明るく弾むようなその話し方に、
初めて会った時と同じ。右が藍色、左が漆黒の半々になっている衣を纏い、左耳に銀の細長い飾りを付けてるその鬼は、本当に嬉しそうに見下ろしてくる。
そしてあの時と同じように、どこまでも無邪気な笑みを浮かべて顔を覗き込んできた。
「ここは······どこ?
「ここは
「どういう、意味? 何が起こってるの?」
身体を起こして、辺りを見回す。すると、見知らぬ青年の姿が視界に入った。
白い衣の上に肩までの長さの黒い衣を纏い、赤い腰帯を巻いている青年は、ばつの悪そうな顔でこちらをちらちらと見てくる。
ふと眼が合うと、はっと青ざめた顔をして、
「えっと······あのひとは、誰?」
「うん、やっぱり間違いない」
満面の笑みを浮かべ、
氷でも触っているような冷たい感覚が指先まで伝わって、
「あなたはやはり、間違いなく
「だから、どうして、そうなるのかを訊きたいんだけど······、」
「彼は玄武、
「え、でも、じゃあなんで
「俺のことはとりあえず置いておいて? 今は
「ということで、
玄武、
その行為に、
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