第13話 私の中にもいる
わんコロゲームの進展具合が良くない。
ヤンが邪魔をするから。
教室でゲームを作っていたら、ヤンに部室(空き教室)に連れていかれて、ダンスを踊っている。踊ってないのは気に入らないって、ヤンはダンスが好きみたいだ。音楽に乗って覚えたダンスを踊っていると、教室に来た先生までダンスを踊り始めて、二人ともダンスが上手。ポップと言うのか、跳ねるというのか。足も揺れている。先生はこう言うのは好きじゃなさそう。表情がね。チキチキしてきた。
サイコパスについて、考えている。
サイコパスには二種類いると思うから。
サイコパスという現象は、実は普通のことなのではないかと私は思っている。
動物としての本能が勝る状態なのか、それとも人であるがゆえに人を殺すのか。
世間一般に知られているサイコパス診断でわかるのは前者だと私は思う。
後者はサイコパス診断ではおそらく検知されない。
動物はみな利己的で本能に支配されている。それはおそらく人にも当てはまる。昆虫は共食いをする。根本的なところではたぶん人間も共食いをする。ただ人間は生肉を食べないし、人間を食べる必要性が無い。プロペラを回す機械にエネルギーを与えたらプロペラが回る。蜘蛛の形をした蜘蛛にエネルギーを与えたら、やっぱり蜘蛛として機能すると思う。
理性という個性の内側で、獣としての利己的な本能を体現しているだけ。それは人と言う動物にとって普通の事なのではないだろうかと私は思う。
悪いことをして嘘をつきそうになった時、その嘘を言っているのは自分なのか、それとも……。人は多分、己のうちに、二つの人格を知らず知らずの内に持っている。その嘘を与えてくるのは誰なのか気づく。
殺戮本能はおそらく狩猟本能に近い。
人間は動物だもの。そう考えると前者も後者もより動物よりなのだと思う。
サイコパスが意味もなく人を殺す事案に対してのみ、合理的ではないもの。
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