宿題と言えば

 ※表紙画像は中学校時代の文化祭ポスターとして描いたものです。


『宿題』

 何とも嫌な響きの言葉です。

 中でも夏休みの宿題ときたら、楽しい夏休みを台無しにする、

 悪魔が微笑んでいるかのような魔力を持ちます。


 夏休みに出される宿題。

 さんすう、こくご、りか、しゃかい、といった基本的なものの他、

 毎日の絵日記や美術芸術、それに自由研究などもあります。


 中でも、自分が苦手だったのは絵日記。

 毎日つけるのが面倒で、一週間分まとめて書いたりしていました。

 最初は天気など古新聞を漁って書くのですが、

 そのうち適当になって、もう晴れでいいや、ちょっと晴れが多いな、

 よし雨にしとこう、気温は30度でいいか、といった具合です。

 先生も提出された日記に点数を付けたり、

 そこまで細かいチェックをしたりはしないので、何とかなりました。


 基本的な宿題は、難しくないので数日かければ終わります。

 ほとんどの場合、自分は一気に終わらせてしまいました。

 それが夏休みの最初であるのか、最後であるのかは別として。

 その辺りは苦になりませんが、もう一つの難敵は美術芸術系。

 自由研究も、何をしていいか分からず迷いましたね。

 良い意味でも悪い意味でも、日本人タイプなのでしょう。

 決められた事は出来るけど、決められていない事は出来ない。


「絵を1枚描きなさい」

 このお題では、何を描いたらいいのか分からないのです。

「じゃあ、そこの窓の外の景色でも書けば?」

 とアドバイスを貰えば、ああそれでいいのか、となります。

 そこに至るまで時間がかかってしまいます。


 自由研究なんて、もっと困ってしまいます。

 絵を描く、というお題さえなく、何をしても良い。

 じゃあ何をすればいいの?

 と、そこで止まってしまうわけです。

 夏休みの最後まで終わらず、両親にアイデアを貰って、

 また手伝って貰ったりもしながら、最終日までかかった気がします。


 日本の学校では、算数・数学でも、

 1+1は?

 5×5は?

 と聞かれます。

 この答えは簡単です。

 しかし外国では、

 〇+△=10

 ▽×◇=20

 といったふうに問題が出ます。

 子供に自由に考えさせるわけです。


 日本的な思考が良い場合もありますし、悪い場合もあります。

 一概には言えませんが、日本の決まり事しかできない国民性は、

 教育の部分が大きなウェイトを占めているのではないでしょうか。

 日本風が良いのか、海外のやり方が良いのか、

 そこは難しい問題で、色々な考え方があるでしょう。


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夏の5題小説マラソン 武藤勇城 @k-d-k-w-yoro

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