第3話

「何?」


香織が訝しげに尋ねる。


「1つだけ、あったよ。方法。私達、大学1年生だから、19歳じゃん?ここの旅館って、18歳から宿泊できるから.......」


「確かに!」


と蒼が頷いた。それが決定打となり、旅館に移動することになった。


「旅館......なくね?」


「嘘ぉ.......」


「どうするのよ!」


50mほど先に、看板がおいてある。


「ねぇ、みんな。ナニアレ」


『先着1組限定!今あなたに何が必要なのかを無料で占います。地下1階』


「胡散臭ぁ.......」


葵が呟く。


「まぁまぁ、これに賭けてみようよ!無料じゃないって言われることがあったら写真見せようか」


そう言ってパシャリと写真を撮った。


忘れていた。香織は大の占い好きだった。葵がそんな顔をする。が、私もそんな顔をしていただろう。


錆びれた手すりの鉄の匂いがつんと鼻につく。階段をどんどん下っていく。長い長い間下ったようにも思えたし、1分もかからなかったようにも思えた。


不思議な紋様の入った扉を開けると、こじんまりとした部屋に空席が3つと、机を挟んで向こう側に紫のベールを目深に被った占い師がいた。


「いらっしゃい。ここに座りなさい」


声からして老婆のようだ。占い師が椅子を勧める。


「「「はい......」」」


緊張した面持ちで3人が椅子に座った。それを見ると満足したかのように占い師がうなずいた。


「さて、何を占ってほしいのかね?」


香織が単刀直入に切り出す。


「ここは、どこなのか。私達はなぜ、ここに来たのか」

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