6. 改行、空白行、セパレーター
A8.場面転換などは改行を挿入して空白行で表現する。
A10.会話文では途中で改行をしない。
小説投稿サイトルール
B1.文章は長すぎないようにある程度の句点の単位で適度に改行する。
B2.意味段落に相当する話題が変化する場所では空白行を挿入する。
B3.会話文と地の文の間に空白行を1行以上挿入する。
ネット小説と紙の本では、縦書き横書きのほかにも一般的な改行制御が異なります。
web小説では改行を多めにすることで見やすくなると言われています。
■途中改行
途中で「なんとなく長くなってきたな」とか思っても、読点「、」や適当なところで改行することはやめて、句点類で改行しましょう。
掲示板、QAサイト、ブログなどでは自由気ままに、短い文の途中で頻繁に改行する表記をする人も見受けられます。
しかし小説においては、そのような中途半端な改行は、よしとはされていません。
文の途中だけをなおさら強調したくて改行する、みたいな特殊な場合は例外です。
中途半端に改行すると、webブラウザによって横幅が異なり、レイアウトがガタガタになり非常に読みづらい環境があります。
折り返し位置にこだわっても、機器によっても折り返しされる位置は変化します。
したがって基本的に句点類以外の位置では改行をせず、閲覧者のブラウザの折り返し制御に任せる以外に、いい方法はありません。
▼▼▼悪い例(入力)
アリスは算数の時間は適当にして、[改行]
過ごしている。[改行]
算数では距離と長さの話などをすると[改行]
すごく分からなくなる。[改行]
★★★表示幅が狭い例
アリスは算数の時間は適当に[自動折返]
して、[改行]※
過ごしている。[改行]
算数では距離と長さの話など[自動折返]
をすると[改行]※
すごく分からなくなる。[改行]
▲▲▲
▼▼▼いい例(入力)
アリスは算数の時間は適当にして、過ごしている。[改行]
算数では距離と長さの話などをするとすごく分からなくなる。[改行]
★★★表示幅が狭い例
アリスは算数の時間は適当に[自動折返]
して、過ごしている。[改行]
算数では距離と長さの話など[自動折返]
をするとすごく分からなくなる。[改行]
▲▲▲
この悪い例では表示の際に「して、」「をすると」だけの短い行が発生してガタガタです。
■改行の頻度
句点を打ったら毎回改行しなければならないというルールはありません。そういう方針で書いている人も中にはいるというだけです。
逆に意味段落の間は改行してはいけなくて、意味段落=形式段落にしなければならないというルールもありません。
web上の横書きでは、場面転換でなくとも、意味段落が変わったり、ある程度の形式段落の塊ごとに空白行を入れると、いいとされています。
web小説では「すっかすか」も「真っ黒」も読みにくいと言われるため、適度な改行、空行が必要です。
実際に表示画面を見て感覚をつかみましょう。
会話文との間の空行も含めて、5行から長くても10行くらいで、空行が1つはあると、見やすいと思います。
■改行と禁則処理
ブラウザでは自動で禁則処理が行われます。『、。!?(「』などの直前以外に、Firefox系では小書き|(っゃゅょ)や伸ばし棒などが禁則処理の対象になります。
サイト、ブラウザ、表示アプリによって禁則処理の方法、対象文字が異なります。そのため折返し位置が異なることがあります。
また、なろうでは、執筆フォーム・表示画面と、プレビュー・実際のサイトと、禁則の表示が異なるようなので、注意が必要です。
■会話文
なろうなど横書きの会話文では地の文との間は空白行を1行程度、入れるのを推奨します。
連続した会話文同士の間は1行空ける派と空けない派があります。
連続した会話文が長く続く場合は、空白行を空けないほうがスクロールせずにスッキリ見えることもあります。
この辺は作品の会話文の連続の多さで選択するといいでしょう。
■場面転換
次は場面転換についてです。
時間経過、場面転換では、2行以上の空白行を空けましょう。
また◇◆などを1〜3文字配置して、セパレータとすることもよく行われます。
セクション記号「§」もたまに使われます。
視点変更時にも特定の記号を設置して、読者に知らせることもよくあります。
あまり推奨しない例として「───────────────────────」のような水平線を設置して、HTMLタグの<HR>のようなものを作っている人がいます。
しかし表示幅が狭い環境などで見ると、バーが折り返されたり、画面からはみ出て横スクロールを発生させる元凶になるので、バー型のセパレーターは非推奨とします。
▼▼▼例
退屈な算数の時間は、必死に黒板を書き写すだけだ。
早く終わらないかな、と次のプールの時間が来るのをただ待ち続ける。
◇
プールの時間になった。
アリスはもう今からうれしくてたまらない。
男女混合で教室で、テルテル坊主のタオルを使って着替えをする。
少し裾がめくれるくらいは、気にならない。それよりも早くプールに入りたい。
▲▲▲
場合によって、場面転換、時間経過では、3行4行やそれ以上、空行を空ける人もいます。
2行くらいだと、あまり差がなく目立たないので、4行くらい空けるのも視覚的には有効です。
ただし、10行くらい空いていると、スクロールも面倒くさいなど、よくない印象もあります。ほどほどを見極めてください。
場面の先頭に○○Side、と書く人がいますが、「サイド使い」と言われ、一部の人には嫌われる記法です。
使用の際は吟味してください。
別視点自体はそこまで忌避するものではありませんが、ほどほどに使用しましょう。
■1行空き
いわゆる「1行空き」にも触れておきたいと思います。
1行空きは空行を1行入れることですが、ここでは「1行毎に1行空き」のことです。
こういうものを英語では、ダブルスペースというようです。
▼▼▼
今日は晴れ。快晴だ。
空には雲一つなく、ただ青だけが広がっている。
空き地では子供たち、特に獣人の子たちが遊び回っていた。
俺はそれを眺めながら空き地に生える薬草をちまちま回収している。
この薬草は空き地に生えるくらいだから、売値はとても安い。
それでも平和に稼げる数少ない冒険者の仕事の一つだった。
▲▲▲
どうでしょうか。
特に日記系のブログに多用される記法です。
肯定的な意見では、横書きスマホで見やすいという人もいます。
しかし、すかすか、空きすぎ、スクロールがダルい、読みづらい、など否定的意見も目立ちます。
個人の好みを述べると、1行毎1行空きよりは、意味段落単位での1行空きのほうが読みやすいかな、とは思います。また小説っぽいとも思います。
その辺はブログ世代、紙の読書体験の量、表示デバイスの違い、趣味嗜好などによると考えられます。
1行空きでないと読みづらいと思っているユーザーは他の作品でも同様のはずです。
本来こういうものは、テキスト入力側で調整せず、スタイル指定でしたほうがいいと思います。
なろうに限らず、ほとんどの小説投稿サイトは、行間の読者ユーザー指定ができます。
行間を200%以上に設定しているユーザーが1行空きの小説を見ると行間がさらに開いてしまいます。
その辺も勘案するなら、1行空きで書けば、読みやすくなる、とも一概にはいえません。なかなか難しいところです。
■縦書きと横書き
縦書きを基準にした場合と、横書きを基準にした場合で、1行の文字数が異なります。
縦書きのほうが1行に多くの文字を配置できるので、横書きなら頻繁に改行するようなものでも、縦書き用にした場合には、意味段落くらいの範囲では改行しないほうが見た目がよくなる場合があります。
縦書き、書籍スタイルでは、台詞の前後にも空白行をいれません。
縦と横、どちらを基準に選ぶかということになります。
小説家になろうでは、本家のwebの横書き表示で見る、またはスマホアプリでも横書きで見る人が多数派だと思われるので、そのような1行が少なめの表示環境に合わせて、改行するといいと思います。
正式に縦書きがサポートされているサイトでは、また事情が異なることもあるでしょう。
■セパレーターで使う記号
よくセパレーターや行頭のマークとして使う記号を取り上げます。
そのうち「◯ U+25EF 大きな丸」は元々、合成用丸として使おうとしていたものの、結局合成用であることを放棄された丸で、ほとんど使われることはありません。通常は「○ U+25CB 丸印」を使います。
例外的に、改行記号、コマンド記号、空白記号も載せておきます。
ASCII互換
U+0023 # ナンバー サイン
U+0024 $ ドル記号
U+0025 % パーセント
U+002A * アスタリスク
U+0040 @ アットマーク
JIS X 0208/Shift_JIS以上
U+00A7 § セクション サイン
U+00D7 × 乗算記号
U+00B6 ¶ 段落記号
U+2020 † ダガー
U+2021 ‡ ダブル ダガー
U+203B ※ 米印
U+221E ∞ 無限大
U+25A0 ■ 黒四角
U+25A1 □ 四角
U+25B2 ▲ 黒三角
U+25B3 △ 三角
U+25BC ▼ 逆黒三角
U+25BD ▽ 逆三角
U+25C6 ◆ 黒ひし形
U+25C7 ◇ ひし形
U+25CB ○ 丸印、白丸
U+25CE ◎ 二重丸
U+25CF ● 黒丸
U+25EF ◯ 大きな丸 ※本文参考
U+2605 ★ 黒星
U+2606 ☆ 白星
U+3013 〓 げた記号
U+FF03 # 全角ナンバー サイン
U+FF05 % 全角パーセント
U+FF0A * 全角アスタリスク
U+FF20 @ 全角アットマーク
U+00D7 × (再掲/通称○×のバツ)
U+25CB ○ (再掲/通称○×のマル)
U+25EF ◯ 再掲/大きな丸
U+3007 〇 漢数字ゼロ(参考)
CP932/JIS X 0213互換
U+2116 № 全角No
U+2460~U+2473 ①~⑳ 丸1~20
Unicode/JIS X 0213互換
U+2022 • ビュレット
U+2042 ⁂ アステリズム
U+2051 ⁑ ダブルアステ
U+2318 ⌘ コマンド記号
U+23CE ⏎ リターン記号
U+2423 ␣ 空白記号
U+25B6 ▶ 右向黒三角
U+25B7 ▷ 右向三角
U+25C0 ◀ 左向黒三角
U+25C1 ◁ 左向三角
U+2713 ✓ チェックマーク
U+303C 〼 ます記号
U+24D0~U+24E9 ⓐ~ⓩ 丸A小文字~Z
U+24F5~U+24FE ⓵~⓾ 二重丸1~10
U+2776~U+277F ❶~❿ 黒丸1~10
U+24EB~U+24F4 ⓫~⓴ 黒丸11~20
U+3251~U+325F ㉑~㉟ 丸21~35
U+32B1~U+32BF ㊱~㊿ 丸36~50
U+32D0~U+32EC ㋐~㋬ 丸ア~ヘ(25種類)
▼▼▼␣と⏎の使用例。文字入力などの例示
>dir␣windows␣*.txt⏎
▲▲▲
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