第10話
国境の城壁内
数時間後に国王が場内から消えたと報告を受けて、前方のアグニシューの偵察部隊よりミスディヌが来た知らせを聞いて、ベクトルは難しい顔で椅子に座っていた。
「こちらの予定よりもミスディヌ殿は2日早いな、撤退させたアレス将軍も兵士達も間に合わないか、こうなれば敗戦を覚悟しなければならないか」
「ええ!敗戦ですか?」
「そうだ」
状況でわからない副官は聞き返しベクトルは頷いた。
「ミスディヌ殿は特殊な記憶力で1度見たことある場所は覚えている、そしてエルフ族が稀に持つと言われている・・・ユニークスキルにテレポートが有り国王を拉致に来るはずだ!」
「でもその方は場内の方を見たことが有るんですか?」
「おそらくは、知っているだろう」
副官の質問にベクトルは断言した。
「ミスディヌ殿は過去に大国の外交官だった頃に、先代の国王とは仲が良く城の中を案内された事もある、私も子供の時に案内に付き添ったから知っている」
「つまり城の中の部屋も国王の部屋も知ってるっと?」
「その通りだ」
「あちらの大国の総参謀長が、それを知らないとは思えない」
「なるほど」
状況は国王が捕まってるとみているベクトルは、敗戦しかない事態に真剣な顔になった。
「偵察部隊を砦に戻せ、これより・・・」
早口でベクトルは副官に指示を出した。
※ ※ ※
同時刻
洞窟のはずが豪華な屋敷にいるのと変わらない光景に、テイジは机のご飯を見ながら戸惑っていた。
「主様お食事を持ってきました」
「ありがと…!?」
嬉しそうな顔でメイド服を着て魔夜は、ご飯のオムライスを持ってきてケチャップでこの国の言葉で[今夜は寝かさないからを食べて♪]と書かれ驚いた顔になった。とりあえず食べようするが利き手は、にっこりと魔夜が握ってした。
「ボクが食べさせてあげるよ」
「あたしが作った特性の愛情たっぷりオムライスだおーん♪」
カトレアはスプーンを取って、レモンは後ろ抱きついて 、口にオムライスが運ばれかけた時に空気が変わった。
魔夜がテイジの手を放して立ち上がった。
「ちょっと待ちなさい!」
ピタとテイジ、カトレアとレモンは動きが止まった。
「今、誰が作ったですって?」
「あたしだけど?」
「カトレア…レモンにそのオムライス食べさせてあげなさい!」
「はい」
嬉しそうな顔でレモンは答えて、察した目でレモンを見てカトレアに指示を出し素直に返事をした。
食べさせレモンはモグモグしてたが、次第に顔色が赤→青→紫に変わり泡を吹いて倒れた。
それを見た魔夜は、
「ほう、そんな危険な毒物を愛しき主様に食べさせるつもりだったのですか!」
冷ややかな口調でカンカンに怒っていた。
「ボク達は外に行こう♪」
テイジの背中をおしてカトレアは洞窟の外に逃げた。
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