第3話
次の日、年老いた側近は病死した近くの町に伝えられた。
この町で働く店の人は残念そうな顔で話していたが、町の見回りをする兵士達は事情を知ってるので何も問わなかった。
「はあ、腹黒国王と違って他の国からも信頼があったし、以前に大国の事故で亡くなった帝国の凄腕交渉人のグレンという方とも信頼は厚いかったもんな」
「そうね」
「本当に残念だね」
「あの時は本当に世話になったわね」
あの時は、シンバリンドはこの店の商品が売りに腹をたち、この店に置いてあった商品を壊したり、気に入らないと言われて、国王も当たり前だと言わんばっかりで何の対応もしてくれない。
老側近は違った、シンバリンドが壊した物を上乗せで弁償して、深く謝罪してくれた。
その後に第1王子のベクトルも店に謝罪に来てくれた。
「あの人にはお孫さんがいただろうに」
「気の毒だろうに残念だね」
「お孫さんの事を大事にしてのに」
深い息を吐いて店を離れた方にお客様が来て商売に戻った。
その夜
国王の自室で長めの円形のテーブルに装飾した椅子に向かい合わせで国王とシンバリンドはワインを飲みながら座っていた。
「ところで、内乱の前にあの側近には孫が居るがどうする?」
「は、それには考えがございます」
「さすがだな」
「この国は全ての耳に入るように[教団の神の力を持つシンバルは奇跡で多くの町を救う]と噂をながして下さい」
「何故だ?」
「例の男の話では、計画を確実にする為のものでございます」
「よし、分かった」
笑いながら夜遅くまでワインを飲み続けた。
※ ※ ※
町の店達は酒場を貸し切りで、
「しかし・・たまげたな」
「ああ、一昨日にあの側近さんがこっそりと逃げ出す際に挨拶にきて、今朝に病死だもんな」
「確か今は離婚した娘さんが女王をしてる北の国の方にある小さな島だったけか」
「幸せになってほしいな」
「だな」
皆は笑顔で朝までお酒を飲んでいた。
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