(一)-5

 ほとんどのクラスの男子たちはその言葉に踊らされていたが、もちろん例外もいた。

 それはツポレフ、ヤコヴレフ、ミコヤンの三人組だった。彼らはそもそもアームストロング市の住人ではなく、隣の月面都市ガガーリン市の住人だった。ツポレフはガガーリン市の市長の、ヤコブレフは同市の議会議員の、そしてミコヤンは同市港湾局局長の息子であった。

 建設途上のガガーリン市の学校は、基本的には建設労働者や技術者たちの子息が通う所となっており、いわゆる政治的な階級の子どもは、こちらの市の学校に通うことが多かった。この三人組はまさしくその典型例だった。


(続く)

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