(一)-4

 ともあれ、このエミリアが放った一言がクラスの男子を焚きつけたのは間違いない。

 例えば、中堅宇宙船メーカーのボンバルディア社の社長の息子であるシュンは、興奮しながら「よし! 俺も船舶免許取るぜ」と仲良しメンバーのラッセ・サーブとリチャード・ハンシャンを誘っていた。

 なお、ラッセは俺と同じ技術者の息子だったが、エミリアへの憧れは持っていたらしく「俺も!」と意気揚々に同調し、普段あまり何事にもやる気を見せない宇宙商人の子であるリチャードは、「面白そうだから」という理由でやる気なさそうに同調していた。


(続く)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る