(一)-6
ちなみに、エミリアの言葉に踊らされていない「例外」はそれだけでない。俺もその一人だ。
エミリアとはたまたまクラスが同じになっただけで、憧れとかそういうのはない。そもそも住む世界が違うしな。だから俺は、彼女の発言はどうでもよかった。
「くだらねえよ」
教室の隅の席で俺はそう吐き捨てて、友人のシッコ・モレソーとジョバンニ・カミニートに暗に同意を求めた。
当然この二人もそう思っているだろうと思ったのだが……。どうやら違ったらしい。
(続く)
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