第57話 作戦タイム

アスティ「という訳で、休憩とか回復アイテムの買い出しを兼ねて軍港ベイハーバーに戻ってきて、今は魔法使い3きょうだいに勝つためのな訳ですが!」

ホーク「だから誰にしゃべってるんだよ」


 宿屋での作戦タイム。軍港だろうと普通の町や村だろうと、この世界の宿屋は0Gである。そういうものらしい


アスティ「3人の特徴をおさらいしようか」

アスティ「一番上の黒髪お兄さん、回復役の『魔泉のロスティ』。土属性は苦手らしい。体力が高いって言ってた」


フォクシー「二番目の水色の髪のお姉さんは攻撃役と言うべきでしょうか。『炎殺のリスティ』と名乗っていらっしゃいましたね。攻撃力が高い反面、体力はないともおっしゃられていました。おそらくは炎が得意で水は苦手かと思われます」


ホーク「三番目のウェーブがかった茶色の髪の……あー、性別はともかく、サポート役でいいのか? 『地縛のニスティ』は状態異常が得意と言ってたな。かなり厄介そうだ。風属性が苦手らしい」


フレア「うーむ、わからん! とりあえず回復役から倒していけば良いのではないか?」

アスティ「確かに普通はそれがセオリーなんだけどね。わざわざヒント与えて、自分はHPが多いって言ってる時点で、今回はあまり良くなさそうなんだよね、回復役を狙うのは」

ホーク「一理あるな」

フォクシー「アスティさんは、どなたを先に狙うべきか、もしお考えがあればお伺いしてよろしいでしょうか?」


アスティ「うーんそうだね、残り二人どちらを狙うか迷うけど。サポート役のニスティかな。状態異常って一番こちらのペースを乱す要因になるし。あと、状態異常って言っても、デバフや即死系も幅広く含んでるかもしれない。未知数の度合いが一番高くて怖いから、一番先に倒すべきだと思う!」

フレア「な、なるほど……?」


ホーク「俺は攻撃役のリスティから狙うべきだと思ったけどな。攻撃役を一番最初に落とすのがわかりやすいし、あいつ一番HPが低いんだろ?」

アスティ「でも水属性の弱点を突けるのって、私のアイスソードくらいじゃん。通常攻撃だよ? オッサンは水魔法さえないし」

ホーク「ことあるごとに俺の悪口言うのやめろよ」


フォクシー「基本的に各個撃破したいところですが、こちらの攻撃は炎系が多いことを考えますと、思ったよりリスティさんは早く撃破できない可能性はありますね。回復役のロスティさんを狙うよりはまだ楽かと思われるのですが」

フレア「な、な、なるほど……??」


 さっきからフレアちゃん大丈夫か?


ホーク「うーん、そうか。ならアスティの言う通り、サポート役のニスティを狙うべきか」

フォクシー「私はそれがリスクが低くて良いかと思います」

フレア「…………」


フレア「…………」

アスティ「フレアちゃん、大丈夫? ちゃんと話についてきてる?」

フレア「あ、う、あ、あ、サポート役、ニスティ、倒す、真ん中……」

ホーク「考え過ぎてオーバーヒートしてるな、こりゃ」


アスティ「頼りにしてるからね、フレアちゃん。これもなんだから!」

フレア「た、!? うおおおぉぉ! そうだ、私はさらに高みを目指す! 魔法使い3きょうだいを! 倒す!」

アスティ「ハハハ。いやーフレアちゃんの扱い方がわかってきたわ」


 準備も整い、作戦も固まったところで、再び魔法使いの塔を目指す! 迷わずの森に着けば、あとはワープ魔方陣ですぐ到着だけどね!

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