第53話 本当によくやっているね、それじゃ困るんだ
アスティ「さ、さーて。塔の攻略に戻りますか!」
???「はいはーい、ちょっと待ったー!」
アスティ「だ、誰だ邪魔すんな!」
ピエロ「俺だよ、ただのピエロだよ」
アスティ「うっわ、あんた本当にストーカーな訳?」
ピエロ「本当は俺、このタイミングで出る予定なかったんだけど。端的に言って、あるお方からメッセージを伝えに来たんだ」
アスティ「あるお方~?」
ピエロ「そう。まあ拒否権はないんだけど、伝えるだけ伝えとかないとフェアじゃないからと思って」
ホーク「で、いったい本題は何だ?」
ピエロ「この世界に2つ、ルールが追加された。さっき言ったように拒否権はない。ちなみにルール追加したのは禁句連じゃないよ」
ピエロ「ルール1つ目。バトルで同じ技を何回も使うと、そのバトル中は技の威力が下がっていく。これは自動的に適用される」
アスティ「な、そんな勝手な!?」
ピエロ「俺は伝えてるだけだ。文句言われてもどうしようもない」
ピエロ「お前らはこの世界のバトルのコツっていうのを理解してきている。この世界のバトルは数字だ。効率だ。そしてお前らはその効率に合わせて上手く動けるようになってきている、うん」
ピエロ「本当によくやっているね、それじゃ困るんだ」
フォクシー「どなたが困るのですか?」
ピエロ「悪いが、それはお前らの知る所ではない」
アスティ「好き勝手言いやがって……」
ピエロ「ルール2つ目。アスティお前、意図的に時間を巻き戻す能力を何度か使ってるだろ。これをはく奪する」
アスティ「な!?」
フォクシー「ちょっと待ってください! アスティさんに時間を巻き戻す能力、というのは全くの初耳です」
フレア「そうだ! 時間を巻き戻せるなんて、そもそも訳が分からんぞ!」
ピエロ「やっぱり仲間には説明してなかったのか。それが賢明かもね。まあもうその能力は使えなくなるんだけど」
ピエロ「こういう能力があると緊張感がなくて困るんだよね」
ピエロ「とはいえ、うっかり死んで巻き戻せないのも困るから、こちらで預かるよ」アスティ「さっきから勝手ばっかり言ってんなよクソピエロ!」
ピエロ「だーかーら、俺は伝えてるだけだって。それにこれは決定事項なの」
ピエロ「別にお前らにケンカ売ってるつもりはないよ。むしろドンドン先に進んでもらわないと俺が困る。そのために何もかも面倒見る……とはいかないが、できるかぎりのサポートはちょくちょくするぜ」
アスティ「あんたの話って……本当に意味わかんない!」
ピエロ「どんなに不満で理不尽でも、お前らは事実を受け入れるしかない」
ピエロ「そして、お前らはそれでも上手くやっていけるはずだ、じゃあなー」
ピエロは空気に解けるように消えていった。謎過ぎる
アスティ「あーもう、なんで好き勝手言いたい放題なやつばっかなんだ! クソが!」
ホーク「なんというか、そういう運命なんだろうな」
フォクシー「あ、あの……とりあえず、戦略を練り直しましょうか……」
フレア「私は何も話を理解できんぞ!」
いったいあのピエロ、本当になんなんだよ!
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