第37話 どんな能力でも見抜く、馬人のアドバイス
恐る恐る、頭が馬の人間、
アスティ「あのー、なんでしょうか?」
馬人「私は戦術研究科です。能力を見抜き、アドバイスをして差し上げることができますよ。」
意外な答えが返ってきた。戦術研究科? バトルのアドバイスをしてくれるということか?
アスティ「じゃ、じゃあ、まずは私からで」
馬人「アスティさんですね、いいですよ」
いやなんでもう名前まで知ってるんだよ!?
馬人「アスティさんは優秀なビジターですね。全ての能力値が平均値以上です。
攻撃魔法も回復魔法もこなせます」
馬人「反面、器用貧乏に感じるかもしれません。素早さを活かして臨機応変に動けるのは、大きな強みなのですが……」
馬人「潜在能力が引き出されると一変します。魔法戦士、いえ勇者と呼べる強さです。まさに万能リーダーですね」
馬人「装備できるものが多いのも強みです。ボス戦では杖装備にして魔法を連発する戦法もアリですよ?」
すげーマトモなアドバイスだった。何者だコイツ……
アスティ「次はフォクシーちゃんで!」
フォクシー「わ、私は別に……!」
アスティ「遠慮しないで!」
馬人「フォクシーさんは典型的な僧侶……かな? 回復は得意中の得意なのですが、素早さに大きな不安がありますね」
馬人「本当にピンチの時はアスティさんに回復を任せてしまいましょう。
フォクシーさんは早めの回復がコツ」
馬人「とても不思議な力を持っていますね。その力が完全に覚醒したならば、あなた本来の真価を発揮できそうです」
馬人「仲間との絆を大事にしてくださいね。それが一番の力になるはずですから……」
馬人「関係ないですが、実は逃走成功率アップの特殊能力を持っていらっしゃいます。縁の下の力持ち、ですね!」
フォクシーちゃんは心なしか、さっきまで慌てていたのに今はほっとしているように見える。何だったのだろう?
フレア「次は私にアドバイスを頼む!」
馬人「フレアさんは説明不要かもしれません。典型的な格闘家タイプですね。物理攻撃のダメージの高さは圧倒的です!」
馬人「素早さもアスティさんの次に早いですね。魔法に比べると、全体攻撃のHP消費が大きくて少し使いづらいかもですね」
馬人「しかしダメージを軽減する能力もあり、苦手なはずの魔法でさえ軽減します。
魔法は使えませんが、頼りになりますね」
馬人「潜在能力を引き出してもその強さの方向性は何も変わりません。火力で押し切りましょう!」
フレア「つまり鍛練を続ければ良いということだな! うおおおぉぉぉ!!!」
今のフレアちゃんへのアドバイスって何か役に立ったのか?
アスティ「さて、じゃあ次へ行くか」
馬人「ヒヒーン……」
ホーク「おい、さらっとスルーしてるんじゃねえ! 地味に傷付くだろうが!」
アスティ「んあー?」
ホーク「んあー、じゃねえんだよ。じゃあ最後に俺……ホークにアドバイスを」
馬人「ホークさんもビジターのようですね。攻撃魔法のエキスパートです。
しかし防御に大きな不安がありますね」
馬人「通常攻撃は弱いのであきらめて、魔法のことだけ考えましょう。
しかし魔法に対する防御力も不安です……」
馬人「基本的には、全体攻撃で雑魚の体力を削るのが大きな仕事ですね。
ボス戦では属性に注意すると効率的です。覚醒すると禁術レベルの魔法が使えます」
馬人「また、複数属性の魔法の付け替えもできるかもしれませんね!」
アスティ「オッサンの防御はクソザコなんだって。ざーこざーこ♡」
ホーク「クソザコとまでは言われてないんだが!?」
ホーク「しかし攻撃魔法のエキスパートで、複数属性の魔法の付け替えもできるんだってよ、やはり天才だな」
アスティ「もう少し打たれ強かったらねー」
ホーク「うるせえよ
すぐそこにいる牛頭の人間……
牛人「馬のくせに戦術に詳しいとか訳わかんないですよね!」
アスティ「私にとってはあんたの存在も訳わかんないけどね」
フレア「いやになっちゃうなー、モウ」
ホーク「ハァ……」
フォクシー「アハハ……」
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