第36話 軍港ベイハーバー到着、そして馬人

アスティ「到着ー!」


 軍港というだけあって、波止場……? 船着き場はやや殺風景だ。細長く突き出した鉄板の歩道に、広い敷地に、倉庫と兵隊、その他ちょっと普通じゃなさそうな人達が数人いるだけ。観光地とか商業地という感じにはあまり見えない


フォクシー「各地に禁句連のがあります。無理せず潰せる所から確実に潰していきたいですね。ただし、支部と戦うにはまだまだ戦力不足かと思います。着実に力をつけ支部との戦いに臨みましょう!」


 流石フォクシーちゃん! 相変わらず見事なリーディング。一応私がリーダーってことになってはいるが、この世界のことはぶっちゃけわからないので、禁句連の動向とか、地理的なこととかは、本当に頼りにしている


 しかし、フォクシーちゃんの説明に一瞬気持ち悪い違和感を覚えた。なぜだ、フォクシーちゃんの態度にも、説明にも、特に怪しいところはなかった。ただ、『』と何となく思ったのだ。この世界で私が知っていることなんて何もないはずなのに


 正体不明の気持ち悪さだけが少しの間、私の中で渦を巻いて、やがて自然と消えていった。何だったのだろう


フレア「うおおー! 限界まで鍛練して勝利をつかみ取るぞ!」


 そうだ、確実に禁句連の「」ってやつを潰していくのが当面の目標になりそうだ


フォクシー「そうでした、教会の地下に図書館があるはずです。今後の参考になるかも知れません。」

フレア「私は本は苦手だ……。それより鍛練の場を探さないか?」

ホーク「イマイチまとまらねえな……。前の大陸とは敵の強さが段違いなはずだ。力も知識もあるに越したことはねえさ。敵も属性持ちが出てくるしな」


ホーク「まあ俺の攻撃魔法さえあれば適当にやっても勝てるだろうがな」

アスティ「いろんな魔法使えるからって調子こきすぎじゃない? 体力ないんだから油断しないでね!」

ホーク「へっ、うるせえ!」

フォクシー「なんだか不安です……」


 ところで、船着き場はシーポートと同様、ゴブリンの見張りがいた。


ゴブリン「ここは軍港ベイハーバー、ゴブ。行いには特に注意することゴブ」

アスティ「ここの港もゴブリンの職員がいるんだねー」

ゴブリン「シーポートにいるのは弟ゴブ」

ホーク「ほほう」


 この世界の職業事情ってどうなってるんだろう。そもそもモンスターの扱いがわからん。町で平和に暮らしてるやつと、外で襲ってくるやつと。まあ町中で大人しくしてるモンスターをこちらから襲うなんて考えてないけどさ。単純に謎だよね


 つーかあそこに頭が馬の人間、馬人ばじん(?)がいるんだが!? 港の一角を借りて人生相談か占いみたいな装いで。しかもなんか、こっちをじーーーっと見てない? いや絶対見てるよ、何なのよ!?


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