第35話 巨大生物との決着そして、軍港ベイハーバー

 瀕死のクラーケンの目が怪しく光った気がした。次の瞬間……


クラーケン「スプラッシュ!」


 強力な水系魔法を唱えてきた! これがこいつの最後の切り札というわけか!


アスティ「みんな耐えて!」


 大きな波しぶきの全体魔法が私達を襲う! こちらもかなりダメージを受けたが、かろうじて戦闘不能は出ていない!


アスティ「いまだ! 全力で総攻撃いくよ!」


 全員でクラーケンとの間合いを詰めて、いっせいに攻撃を浴びせていく!


アスティ「これでとどめ!」

フレア「決める!」

ホーク「最後の一撃通常攻撃!」

フォクシー「えぇい!」


クラーケン「プグ……グ……??」

クラーケン「ウギャァァァウォォォ!!!」


 クラーケンの巨体が波間に倒れこみ、その大きな衝撃で、水しぶきが大雨のように降ってくる。そして訪れた静寂の間に、青空とおだやかな波の音だけが広がっている……


アスティ「か、勝ったの?」

ホーク「ヘッ、やったな。俺達の勝利のようだぜ!」

ギャラリー「す、すげえ! あいつら……伝説のクラーケンをやっつけちまった……!」


 ガザッツ戦の反省もあり、できるだけ冷静にと努めたものの、やっぱり無我夢中で。自分達の力だけであのクラーケンを倒したという実感は、倒した瞬間にはなかった。ギャラリーの声が聞こえ、私は急速に実感が湧いてきた


 私はギャラリーに向けて、振り返り際にポーズを決めた!


アスティ「壮大! 長大! 絶対勝利! 常勝戦隊エターナレンジャー!」


フレア「なんだそれは?」

アスティ「今考えた私達のチーム名! どう?」

ホーク「俺は名乗らんぞ」

フォクシー「私もどちらかというと……」

アスティ「えー? せっかく考えたのに」


 うーん、どうやらこちらは少なくともではないらしい。おかしいな。と思いきや……


ギャラリー「ワーワー! ピーピー! パチパチパチ!」

ギャラリー「いいぞ! エターナレンジャー!」

ギャラリー「ありがとう! エターナレンジャー!」

アスティ「好評というか定着したんじゃないの、これ」

ホーク「マジかよ」


 いよいよ軍港ベイハーバー、上陸が目前に迫ってきた! いったいどんな所なんだろうなー


 そうそう、あまり関係ないけど、若い船長さんは私達にお礼を言いながらも頭を抱えていた。あー、後片付けが大変そうね……

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