第32話 巨大生物、来たる

ナレーション「ベッドで休みますか?」

アスティ「はいはい、っと」




 ………………


アスティ「うーん……」


 ウー! ウー! ウー! ウー!


アスティ「ん……ううん……? 何か外が騒がしいような?」

アスティ「うるっさ……! 何この……サイレンみたいな音……」

アスティ「いやいやマジでサイレンの音じゃね? もう何なの?」


 あ、流石にみんなもう起きてる


ホーク「レディの寝顔をのぞくような無粋な真似はしてねえよ。それより外が騒がしいようだな」


 意外と真摯で常識人なんだよな、オッサン。見た目と戦闘スタイルのギャップで台無しだけど


フォクシー「何かトラブルのようです。手遅れにならないうちに。でも……準備と心構えも万全で行きましょう!」


 今度こそは失敗しない。私が全面的に悪いのに、フォクシーちゃんに責任感じさせちゃってるからなー


フレア「何やら騒がしい……これは鍛練の予感がするぞ! 油断するな! 覚悟を決めろ!」


 やっぱすげえよフレアちゃんは。そのブレなさは、やっぱり突然のトラブルやピンチの時になんだかんだ頼りになるもん


 さて、どうやら事件現場(?)は甲板の方らしい。みんなで行ってみるか!




若船長「くそ! 追いかけて来てるのか? このままだと衝突しちまう! おい! 前方の障害物の正体はまだか!?」

見張りの船員「えーと、なんだアレは……?」

巨大生物?「バシャーン、バシャーン!」


 何かが、遠くで大きな波しぶきを上げている。遠くだからなのか、はやたら小さく見える。遠近法ってやつか。あんなに離れているのに、波が伝わってきて船が大きく揺れる


見張りの船員「クッ! 信じられないほどバカでかい……! 全長10メートル以上はあるです!!」


若船長「何、まさか伝説のだとでも!? 本物なら対処のしようがないぞ……どうすれば!?」


ホーク「……へへ、どうやら俺達の出番だ。覚えたての魔法で思い知らせてやるぜ!」

若船長「まさかあんたら、あの化け物相手に戦う気なのか? そんな無茶な! でも俺達には何もできねえ……」


若船長「輸送中の荷物だが遠慮なく使ってくれ! 責任は俺達が持つ!」

ナレーション「回復アイテムセットをもらった!」


フォクシー「気を付けてください! まずは脚を集中攻撃するのが得策かもしれません!」

ホーク「悪いが魔法で始末させてもらう。巨大生物は退治されてこそロマンなんだぜ!」

フレア「鍛練の相手として不足なし! アスティ、今度こそ覚悟を決めろ!」

アスティ「合点! もう迷わない! みんな行くよ!」


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