第31話 客室会話、事件の足音

 みんなで船の甲板から客室に移動してきた訳だけど。人数分ベッドが用意してあるし、自販機もある。船の客室にしては広いじゃないか?


ホーク「よう、アスティ。船旅なんだからちゃんと準備しとけよ!」

アスティ「もう船乗ってるし、準備もクソもなくない? いったい何の準備のこと?」

ホーク「船と言ったら決まってる。巨大生物との死闘の準備だろうが!」

アスティ「当たり前のように言ってるけどおかしいからね!?」


 どんだけ巨大生物に愛着あるのかしらんが、フラグになるようなこと言うのはいい加減やめてくれよオッサン……


ホーク「まだ到着まで時間がある。ベッドでいったん寝ても良いかもな」


 へいへい、っと


フォクシー「申し訳ありません!」

アスティ「ふぇ!?な、なにが……?」

フォクシー「元・禁句連であること……今まで言い出せず、騙すような真似をしてしまいました……」

アスティ「いいよ、もう気にしてない! もう大きな秘密はないよね!」

フォクシー「……………………」


アスティ「あ、あるんだ……」

アスティ「フォクシーちゃんの決心がついたら言ってね。信じてるから!」

フォクシー「はい、必ず……」


 フォクシーちゃんにはフォクシーちゃんの事情や心の準備があるんだろう、きっと。私はフォクシーちゃんを信じてる!


フォクシー「到着まで時間があります。ベッドで休まれるのも良いでしょう」


 んーそうだなー。……ってフォクシーちゃんもベッドで休むように勧めてくるの?


フレア「アスティ! 何があっても動じるなよ! それも鍛練のうちだぞ!」

アスティ「ふぁい!?」

フレア「心が弱い!」

アスティ「ご、ごめんなさい!」


フレア「アスティならきっと私の生涯のライバルになるだろう! もっと鍛練して私の期待に応えてくれ!」

アスティ「はい」

フレア「気持ちが入ってない!」

アスティ「はい!」


 フレアちゃんは唐突なギャグ言ったりとか、難しいこと考えるの苦手とかもあるけど、心も身体も芯が強くて常にブレない感じなんだよなぁ。本当に頼りになる


フレア「到着まで時間がある。流石に船上で身体の鍛練はできない……。ベッドで寝て鋭気を養うのもアリだな」


 まさかフレアちゃんまでベッドで休むように言ってくるとは。これって完全にフラグなのでは? 海の巨大生物、やだなぁ……


 これは自販機か。と思ったら薬草やら装備やら売ってる。そんなことってある? 私の中でいやな予感が加速していく


自販機「この世界の自販機のようだ。充実し過ぎているラインナップ!」

アスティ「自販機がしゃべんな!」

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