第24話 束の間の勝利、新たな謎

 私達の攻撃は確実に、男の身体のド真ん中に命中した!

 ……やったか!?


 だが、男はよろめきもせず、相変わらずそこに立っている。しっかりと手ごたえはあったのに!


アスティ「強い! こいつ、さっきから全然本気出してないよ! このままじゃ負けちゃう……。」

男?「フッ……今はこの程度か……」

アスティ「シャベッタァァァァァ!!!」


 今まで一言もしゃべらなかった(魔法や必殺技を出す時でさえ!)その男が、急に口を開いた。あまりにも体格が良い上に戦闘能力も高いので人型のバケモノかと思ってたが、モンスターではなかったのか


男?「しかしフォクシー、まさかお前まだ気付かないのか? ヘヒヒ……」


 男が急にフォクシーちゃんに馴れ馴れしく話しかけ、ヘヒヒ、と気持ち悪い笑い声を発している。ん、なんだ、こいつとフォクシーちゃんは知り合いなのか? そうは思えないが……


フォクシー「?」

フォクシー「……」

フォクシー「!」


フォクシー「まさかあなたは……ガザッツ!?」

ガザッツ「ご名答。ヘヒヒ……!」


 ガザッツ……知らないはずなのに、聞く前からこいつの名前を知っていた気がする。あー、わからん。頭がモヤモヤする……


ガザッツ「しかし冷てえよなぁ。まさか俺のこと忘れちまうなんてよ。とんだメギツネだぜ……」


 あぁ? 私のフォクシーちゃんに何て口聞いてんだ? こいつケンカ売ってんのか? いや先にケンカ売ったのはこっちか。まあ元をたどれば、先に店長に手を出したのはこいつだが


フレア「フォクシー、こいつは知り合いなのか?」

フォクシー「どうして……。あなたは私の知っているガザッツとは、見た目から違い過ぎます!」

ガザッツ「そこは色々あるんだよ。ヘヒヒ……。ヘヒヒヒヒッ!」


 はー、いちいち癇に障るヤローだ。正直ぶっ飛ばしてやりたいが、そこまでの力は今の私達にはない。しかしフォクシーちゃんはどの程度こいつのことを知っているのだろう?


ガザッツ「でもまあ、今回は良いものが見れたよ。正直期待には届かなかったが……。俺のために、しばらく泳がせてやるよ」

ガザッツ「この町にいる奴らの記憶は、そこで伸びているオッサンとお前ら以外、消しといてやるよ。ヘヒヒ……!」


ガザッツ「じゃあ、またな。メギツネ」


 そういうと、その男、ガザッツは、瞬時に目の前から消えた


フレア「消えた……か!?」

フォクシー「そのようです。理由は不明ですが……使えるようですね」

ホーク「おい、ケガ人がいるんだぞ! 話は後にしてくれ! 店長を医者のところまで運ぶぞ!」


 色々と謎が、いや厄介ごとが増えてしまった気がするが、今はそれよりケガをした店長を医者のところまで運ぼう。店長、さっきまでツンツンな態度でおいしいお寿司を握ってくれてたのに。ガザッツ許せねえ…

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