第25話 存在しなかった4人目、船旅に向けて
アスティ「ふう、なんか疲れた~」
フレア「食堂の店長、命は助かったが、腕の完治は難しいらしい。食堂を続けるのも厳しいかもな……」
フォクシー「すみません。私が慎重過ぎたせいでこんな結果に……」
アスティ「違うよ! 私のせい! 準備して行ったのに私が動揺してたから……。あれがなければ早く対応できたはず!」
ホーク「やめろ。過ぎたことだ。相手は本気を出せば皆殺しにできた。むしろ運が良かったと考えようや」
アスティ「……?」
アスティ「ん? あれ?」
なぜ今まで気付かなかったのか……
アスティ「なぜオッサンがまだいるの?」
ホーク「いいじゃねえか! 戦友だろ! 俺の攻撃魔法が大活躍だったろ!? あと俺は海賊だ、オッサンじゃねえ!」
アスティ「いや海賊は嘘でしょ。フォクシーちゃんより近接弱いし、海賊コスプレの痛いオッサンでしょ」
ホーク「本当に失礼な奴だな。俺も、禁句連は気に食わなくてな。一緒に禁句連をぶちのめしてやるのよ」
アスティ「本当かなぁ。自称海賊なのに水系魔法使えないとか怪しいし……」
ホーク「関係ねえだろ」
アスティ「クジラとかイルカとか、サメとか海賊船とか召喚できないの?」
ホーク「それのどこが海賊なんだよ! 怪しすぎるだろうが!」
えー、なんかつまらん自称海賊だなー
フォクシー「思ったのですが……」
フォクシー「ホークさんは『ビジター』ですよね? 攻撃魔法を使ってらっしゃるので……」
アスティ「え、気付かなかったよ!?」
考えてもみなかった。オッサンが私と同じ世界から来たビジター? というか気が動転しててそれどころじゃなかったわ
フレア「私でさえ気付いたぞ。しっかりしてくれ」
フォクシーちゃんは話題を切り替えた
フォクシー「例えばホークさんは、元の世界に帰りたいお気持ちはありませんか?」
ホーク「ない! というかさっきまでは、帰りたい気持ちはなかったんだが……」
ホーク「禁句連を倒したら帰れるんだろ? この世界を平和にして、さっそうと元の世界に帰るのも悪くねえ」
ホーク「いずれにしても、俺は同行するからな。せっかくの女三人旅のお邪魔にはなるが、俺の攻撃魔法に任せれば間違いはねえ!」
ナレーション「ホークが強引に仲間になった!」
フレア「ところで先程の、ガ……ジャ……ザ……ジャガ……ジャギ……???」
いや言えてないから!
フォクシー「ガザッツですね。禁句連が雇っている傭兵です。
フォクシー「表向き禁句連は傭兵を雇っていない。禁句連とガザッツの間に関わりがある…。これは暗黙の事実という訳です」
禁句連とフォクシーちゃんの関係も気になる。いずれ語ってくれるという話ではあったが……
フォクシー「さて、色々ありましたがいよいよ……」
アスティ「船旅だね!」
フレア「いざ新たなる鍛練の地へ!」
アスティ「あっ、ごめんオッサン。このフリーパス3人用なんだ~」
ホーク「おい嘘つくな! 4人用のフリーパスだろ!」
アハハ、オッサン意外としっかり見てんなー
アスティ「船旅に出たらしばらく、もしかしたら行ったきりずっと帰ってこれないかもしれない。今度こそ情報集めきって、しっかり準備してから行こうか」
いよいよ船旅。新たなる大陸への旅立ち。そして何もトラブルが起きない訳がないのであった……
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