第22話 宿敵となる脅威、ガザッツ

 さて、急いだ方が良いだろうけど、きっと食堂の中では何か事件が起きている。しっかり準備してから行こう!


 …ん? いつの間にやら食堂の前にいつぞやのピエロがいる。なぜこんな所に……


ピエロ「なにやら事件のようだが、あせるなよ! 準備万端でないと死ぬかもよ! むしろやり残しはないか?

ピエロ「この町で首切りバニーを倒すならラストチャンスだ! 必須じゃないけどな!

ピエロ「俺が時間を止めるからやり残しがあるなら早く行け! もし準備できたら食堂へ入れ!」


 しかしよくしゃべるピエロだ


アスティ「頭が残念なピエロ……」

フォクシー「アスティさん! 声に出ちゃってます!」


 こんなアホピエロと戯れている場合ではない。ちょっとだけ情報収集したら買い物して食堂行くか


ゴブリン「船はまだ出ないゴブ。経験値稼ぎなら森も良いゴブ」


 ゴブって……なぜ港にゴブリンが? 本当にあのピエロが言った通り時間止まってるんなら森でレベリングするけどさぁ。そんな訳ないでしょ


バニーファン「伝説のバニーガールを倒しただって? まさかそんな……」

忍者?「首切りバニーを倒した!? しかし手加減されていたと……。ま、まあそうだろうな……。フードポート食堂はもう行ったか? 右下の方、水路沿いの看板が目印だ」


 おう、バニーを倒したアスティ様だ。崇めろ。まあ私だけの力じゃないんだけどね。その『フードポート食堂』で今事件が起きている……かもしれないんだよね


バニー「本気の私と戦いたい? なら、また別の場所で会いましょう……」


 マジか。やっぱりまだ戦う機会はあるのか。……いやいや、つーか今やってるこの情報収集って意味あるか? 悠長にしてる場合じゃないだろ。本当に何やってんだよ私。フォクシーちゃんとフレアちゃんも、一応ついてきてるが不思議そうな顔でこっちを見てるぞ


 パパっと回復アイテムと蘇生アイテムを買いそろえる。そして食堂の前に戻った。相変わらずピエロはここにいるのな。完全無視


――私は目をつぶり、いったん落ち着いた――


 そして私達は食堂に脚を踏み入れた……


アスティ「え、何これ……」


 店内は荒れており、割れた食器類が散乱している。カウンター内には腕を傷付けられ倒れている店長と、暗い紫色の甲冑を付けた、人間離れした体格の……いかにも悪者って感じの奴が立っていた


???「おいお前ら! 冒険者か!?」


 突然、海賊っぽい見た目、髪とヒゲは銀色かかった白……そこそこの年齢と思われるオッサンに横から話しかけられた


アスティ「え、海賊の格好……おじさん誰……?」

ホーク「俺はホークだが……今はそれどころじゃねえぞ! 冒険者なのか!? 戦えるか!?」


 え……戦うって誰と誰が? 何言ってるんだ? というか今の状況は何?


フォクシー「大丈夫です!戦えます!」

ホーク「よし!それなら……コイツを止めるのを手伝え! 急に店長に襲いかかりやがったんだ!」


 私の理解が追い付かないまま、勝手に話が進んでいく……


フォクシー「わかりました! フォクシー、ご協力いたします!」

フレア「フレア、助太刀する! アスティ! ぼやぼやするな!」


 おっさん、もといホークさん、フォクシーちゃん、フレアちゃんは既に臨戦態勢だ。私は、ええっと……


アスティ「あ……。えっと……。ごめん…」

アスティ「私はアスティ! いくよ!」


 得体のしれない不気味な甲冑の相手に対し、4人で挑む!

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