第19話 鍛練、beat out Levela for Level-Up
フレア「おいアスティ、祝賀会はどうするんだ?」
アスティ「確かに禁句連の役員は倒したけど、こんな中途半端な状態で祝賀会をやるのはイヤだよ」
フォクシー「しかしあのバニーは禁句連のメンバーでも関係者でもないようですし、無理に戦う必要はないと思いますが……」
アスティ「そこだよ!」
フレア・フォクシー「???」
アスティ「たしかにあのバニーは禁句連と無関係だろうし、倒す必要もないかもしれない」
アスティ「だけど禁句連だってバカじゃない。普段は鍛練を怠ってるのかもしれないけど、いつ私達が目を付けられて、集団で襲われるかわからない。今回みたいに一定の場所にいるとは限らないんだよ?」
フォクシー「それは……」
アスティ「だったらさ。船に乗る前に。祝賀会をする前に。もっと強くなって、あのバニーを倒すくらいに強くならないとダメなんじゃない?」
フォクシー「それは……そうかもしれませんね……」
フレア「フォクシー!? 何を言っている!」
アスティ「フレアちゃんもよく考えてみてよ。このまま祝賀会をして、船に乗って。のんびりと少しずつ進んで。それでも結果的に禁句連は倒せるかもしれない。でも」
アスティ「本当にそれで良いの? 鍛練って、自分が勝てるような相手に確実に勝つためにするものなの? 違うでしょうよ。自分の限界を超えるためにするのが鍛練なんじゃないの?」
フレア「それは……そうだが……」
フレア「いや、そうだ。私は大切なことを忘れていた! 私は私の限界を超えねばならない! そのための鍛練なのだ! あんなバニーなどに臆している場合ではないのだ!」
よし、上手くいったか……チョロい
クソ強い『首切りバニー』打倒のために、これからやることは! そう、鍛練だ。いわゆるレベリングだ
たしか以前に、森は強い敵が出ると聞いた。レベリングにはうってつけだろう。禁句連の役員を倒すくらいに力をつけた今なら、十分に対抗できるだろう。流石にあんなバニーみたいな強さをもつモンスターはいないと思いたい
さっそく例の森に入ってみる。モンスターは……スケルトン、ゴブリン、コボルドなど、洞窟でも見たモンスターが出てくるが、編成はこちらの方が強いようだ。しかし、正直拍子抜けだ。今の強さなら適当に通常攻撃を連打していても割と余裕で勝てる。歯ごたえがないし、レベリングにしては時間がかかりそうで……超ダルい。こんなのと何十回も戦いたくないかも
その時だった。超スピードでぬるぬる動く物体が現れた! すぐには視認できなかったが、直感した。こいつは『倒すと大量の経験値をくれるモンスター』だと!
ナレーション「レベラが現れた!」
レベラが3匹。レベラ……レベルアップ。なるほど、安直だがわかりやすいネーミングだ。『スライム』のようなゼリー状ではあるが、いわゆる「はぐれ」とか「バブル」っぽい見た目をしている。いかにも大量の経験値を持っていそうだ
しかしこいつ、防御力はとんでもなく固いのだろうか? もし魔法で簡単に倒せるならば試す価値はある
アスティ「逃げるなよ経験値! ファイア!」
お、普通に効いている。いいぞ!
フレア「おりゃあ! 連舞脚!」
レベラ1匹を撃破! 楽勝だな!
その後、多少の抵抗はされたが無事3匹のレベラを撃破し、レベルが2も上がった。全身から力が湧き出るのを感じる
アスティ「よっしゃ、この調子でどんどん狩っていくぞ!」
フォクシー「アスティさん、本来の目的を忘れないでくださいね!」
おっとっと……そうだった、首切りバニーを倒すためにレベリングしてたんだっけ……
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