第11話 洞窟か、坑道か

 3人パーティになり、洞窟を進んでいく。町周辺に比べるとモンスターは強いが、フレアさんが1人分以上の活躍をしてくれているので、そこまで苦戦していない


アスティ「あんなところに宝箱が!」


 待てよ、宝箱とみせかけて、罠が仕掛けられてたり、ミミックとかのモンスターの擬態という可能性は?


フォクシー「どうしたんですか、アスティさん?」

フォクシー「……なるほど、その発想はありませんでした。少なくとも私はそのような宝箱を今まで見たことはありませんね」

アスティ「じゃあ問題なーし!」


 宝箱を開けると、アイアンソードが入っていた。まさに『鉄の塊』といった感じの剣だが、私の手にしっかりなじむ。動きにくくなるほどの重さは感じない。元の世界の私は、そんな鉄の塊を振り回せるほどの怪力少女ではない。ビジター補正というか、そういう恩恵でもあるのだろうか?


 さらに洞窟を進むと、また宝箱があった


アスティ「いやー都合よく宝箱があって助かるね! 次は何が出るかな?」


 宝箱の中身はパワーナックルだった。鉄でできた、拳にはめて敵をぶん殴るのに使う武器だ。武器と言っても直接攻撃を補強する程度の地味なものだが、鍛練された格闘家にはピッタリの装備なのだ。当然、フレアさんが装備する。アレで殴られたら痛いくらいじゃ済まないだろう。フレアさんが味方で良かった


 ちょっとデカいこうもりや、サソリや、蛇なんかを蹴散らせつつ進んでいく。ここまでの道は、宝箱のある場所へはちょっとした分かれ道があった程度で、基本的に真っ直ぐな道が多く、迷うような構造にはなっていないようだ


 単調な構造で気が緩んでしまい、うっかり私の口からこぼれ出た言葉。それが私の敗因だったのかもしれない


アスティ「しかし真っ直ぐな道が多いね。単調というか人工的というか。もしかしたら洞窟というより『』だったりするのかもねー」

フレア「モンスターが危険なことには変わりない。坑道だとしても慎重に『』しよう」


 ん???


アスティ「え、今のもしかしてオヤジギャグ……?」

フレア「わかりにくかったか? すまない。だとしても慎重に……」

アスティ「もうやめて!」


 もう二度と聞く気はない!


フォクシー「アハハ……」


 フォクシーちゃんは……ただ苦笑いしていた。助けて

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